- 七夕(しちせき)
信じられないことに江戸時代の商人は年に二回、農民は五節句に休みを取っていたそうです。もちろん曜日という考え方は無かったので日曜日もありませんでした。その五つの節句は一年のなかでも特に重要な行事が行なわれる日でもあるため、仕事をしている暇も無かったのでしょう。
七夕(しちせき)はその五節句のなかの一つで、旧暦(陰暦)なので今の太陽暦とは季節が異なっていました。七夕の季語が秋なのはこのためでしょう。ちなみに明治初期には7月7日は国民の祝日に指定されていた時期もあったようです。
- 棚機(たなばた)
織女星と彦星の話は万葉集のなかにも出てくる「たなばたたつめ」と呼ばれる日本古来の伝説だそうです。棚機とは機織り、または機を織る人のことのようですが、織姫がサボったという機織りとはどのような仕事なのでしょうか?
昔々鶴が恩返しのためにやっていた機織り。最近の布の殆どが機織り機械を使って自動的に出来上がりますが、大島つむぎは今でも人の手によって織られています。ちなみに織る人の腕によって反物の値段が違うと聞いています。
現在でもその姿を残しているように、昔はなおさらのこと機織りは女性が収入を得るための手段だったのでしょう。縦糸の間に横糸を通しては柄を合わせて織り進むその作業は非常に緻密です。
そんな作業を世の女性すべてが好きとは限りません。ある人は織りあがった柄の美しさにほれぼれしてそれを楽しみ、またある人はその緻密さゆえに苦痛以外の何ものでもないと思う人もいたでしょう。
- 七夕(たなばた)
中国から伝わったしちせき(七夕、注3)が日本の棚機つ女(たなばたつめ)と結びついて七夕を”たなばた”と読むようになったのは平安時代の宮中行事からで庶民に広まったのは江戸時代からだそうです。
注1 牽牛: わし座のアルファ星アルタイルの漢名。彦星。
注2 織姫: 琴座のアルファ星ベガの漢名。織女(しょくじょ)。織姫星。
注3 3月3日、5月5日等と同じく、五節句の一つ。