五千人を越えるファンを汚い川に飛び込ませてしまう阪神優勝の熱狂が話題をさらいました。そんな中で聞こえてくるのが、阪神が優勝すると景気がよくなる、という話です。どこまで本当なのでしょうか?
阪神はリーグ優勝四回目だとされています。一回目と二回目は1962年と1964年です。この頃といえば、1960年12月に池田首相が所得倍増計画を発表しますが、1961年は景気後退の時期でした。
ところが翌年の1962年に阪神がリーグ一回目の優勝を果たすと、翌年の1963年にはオリンピック景気がやってきます。そして1964年9月30日、二回目の阪神優勝が決まると、次の日には東海道新幹線の開業、さらにその9日後には東京オリンピック開催と、景気にはずみがついてきます。
そして翌年の1965年には57ヶ月続くいざなぎ景気が始まり、ついに1967年にはGNP世界第二位を達成しました。
たしか・・・に、阪神が優勝すると景気が良くなる、という話は偶然とは言え当たっているようです。さて、3回目の優勝の時の景気はどうなのでしょうか?
阪神が3回目の優勝を決めたのは1985年10月16日です。1985年と言えば、中森明菜が二年連続でレコード大賞をもらった年ですが、円高ドル安のたいへんな時期でもありました。ところが、阪神が優勝を決めたためか、翌年には53ヶ月続く平成景気がはじまっただけではなく、ついに一人当たりのGDPで米国を抜いてしまいます。
たしか・・・に、阪神が優勝すると景気が良くなる、という話はここでも偶然とは言え当たっているようです。さて、今年の4回目の優勝の時の景気はどうなのでしょうか?
バブルがはじけた90年代、景気は行ったりきたりしながら、ついに21世紀を迎えますが、小泉さんが森さんから政権を受け継いだ2001年の実質経済成長率はマイナス0.2パーセント*1でした。不況です。さらに昨年の2002年にはマイナス0.5パーセント*1でした。(*1OECD)
実際に仕事が増えるまでには時間差があって1,2年遅れるのが普通です。年間の自殺者も3万人を越える厳しい不況が続きます。
ところが9月15日に阪神が優勝を決めた今年の株価は戻り始め、企業は設備投資にも積極的になっています。今年の経済成長率は3パーセント前後まで戻りそうです。たしかに、景気はよくなりつつあるのです。それでも景気はまだまだだと語る人が多いのも事実です。それはどうしてなのでしょうか?
一つ目は、経済学者らの間で行われる反論の応酬のためだろうと思います。竹中大臣の景気上向き説に別の学者らが異を唱えるのは、実体を語るためと言うより、経済学の発展のために必要なプロセス、あるいはコスト、と考えた方が良さそうです。
二つ目は、これで景気が良くなってしまうと、たががゆるんで改革が進まなくなる、と考える人がいることです。さらには改革に反対の人でも、小泉さんの経済政策では景気は良くならない、と主張できなくなるため、景気が良くなっていても認めたがらないはずです。
異を唱える人はいますが、数字が景気の回復を証明しそうです。となれば、
たしかに、阪神が優勝すると景気が良くなる、という話はまたまた偶然とは言え当たっている、と言えそうです。
-2003/9/17
-2004/6/27 修正・追記
追記
5月18日に行われた内閣府の発表によると、2004年1−3月期のGDPは、前年比で実質年率換算で5.6%の増加、名目成長率も0.8%増となったそうです。
そして平成15年度の実質GDPは前年比3.2%増となり、政府見通しの2.0%を上回わりました。さらに名目GDPも0.7%増で3年ぶりにプラスに転じたとのことです。まさに阪神優勝おそろしや、です。あとは、実質よりも名目よりも、実感が欲しいところです。
-2004/5/18
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