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花火は視覚的贅沢三昧


 夏をそして冬の夜でさえ彩る花火の世界。花火師たちはその美に魅せられ、自らその美を創り出すことに人並み外れた喜びを覚える人々です。しかし、それは危険と背中合わせ。それでもやめられないと聞きます。

 とんかつを手で掴み、そのまま素手で油の中にいれる人がいます。油に浸かった指の熱さで温度が分かるのだそうです。プロのみがなし得る技ですが、花火の熱さには花火師とて耐えられません。だから花火師たちは年中火傷をしているのだそうです。

 10メートル程離れたところで打ち上げる本格的なミニ花火を見たことがあります。小さくても美しさは負けません。自分は見ながら感激してしまいました。しかし美は危険と背中合わせ。やがてその花火を入れた筒が倒れたのか横へ走る光の帯を見ました。逃げ惑う人はその光の影となって散っていきました。それ以来、本格的なミニ花火を見る事はありません。

 ある年の12月。熱海のホテルから花火大会を見ました。たまたま泊まった部屋の窓の位置も良く、それはそれは視覚的そして聴覚的贅沢三昧でした。次から次ぎに打ちあがる花火の輝きが宙を満たしたとき、それを創り上げた花火師たちの表情が浮かびました。彼らはそして彼女らの花火を見上げる満足げな表所が浮かび、目が潤むような光景でもありました。花火はその創り上げる映像表現が美しいだけではない。それを創り上げた人たちの思いさえ打ち上げてしまう。 

-2001/1/22


   
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