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”別れの曲”を聴いて

作成: 2000年(平成12年)11月23日
更新: 2001年(平成13年)10月06日(一部修正/MIDI追加/ジャンル移動)
MIDI: etude10-3


 ピアノは弾けなくても、ショパンのピアノ曲を好きな方は多いでしょう。卒業シーズンに特に良く聴くこの甘美な曲は卒業式で列を作って静かに並ぶことを苦手とする腕白どもでさえ神妙な表情にしてしまう静かな力を秘めています。その優しく甘美な部分だけではなく、全曲を何度も聞いた後で、編者はショパンが何故にこの曲を創り上げたのだろうかと興味が沸きました。それは歌詞の無いピアノ曲に物語が隠されていると思えたからです。

 「別れの曲」という曲名はショパンがつけた訳ではなく、あくまでも若かかりし頃に作曲した練習曲(エチュード)の一つで、ショパンの生涯を描いた映画のなかで、主題歌として使われこの曲名がつけられたのだそうです。しかし、それ故に「別れ」とは何の関係も無いと考えるのは、曲を味わう自らの感性に別れを告げているように思えます。

 誰との別れを曲にしているのかは想像もつきませんが、少なくとも気も狂わんばかりに取り乱したことが想像されるほど強い熱情が込められています。ただの大事な人との別れではない,裏切りというやりきれない思いに感情をかき乱されたのか、それとも愛すべきではない人を愛したがために迎えた別れの際の感情と理性との闘争さえ思わせる心の揺れが伝わってきます。

 彼はあるいは彼女は過ぎ去った別れをときどき思い出しては激しい感情の乱れを自らの心の中に蘇らせ、そしてどうにもならないと静かに耐える人の姿が浮かんできます。

-2000/11/23


●データ
エチュード(練習曲)第3番ホ長調作品10−3(別れの曲)
ショパン【Frederic Francois Chopin(1810-1849)】作。 ポーランドの作曲家でピアノ奏者。主にパリを中心に活躍した。


●参考リンク


   
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