生き物とは何なのか、と言えば、それは栄養を取り入れ、成長し、何らかの活動をし、そしてしだいにその数を増やしてゆこうとするものとされています。エイズやSARS(サーズ)の原因となるウィルスも生物であるのなら、同じ性質を持っているはずです。
栄養を取り入れるという意味で、もっとも高度な働きをしているのは植物ではないか、と思います。栄養とは血や肉になるものですが、その元になる炭水化物などの有機物が植物の光合成によって作られるからです。
空中や地中にある水や二酸化炭素から炭水化物という、より複雑な分子を作ってくれるのが植物で、この働きを考えると、動けないのが植物であるというより、動かなくとも自分に必要な栄養を摂取できるのが植物である、という見方をすることができます。
その成果を横取りしているのが動物ですから、動物は植物がなければ栄養摂取ができないことになるため、動物は植物に依存しながら生きているともいえます。しかしその一方で、動けない植物の繁殖を助けているという面もあるので共存していると言えます。
ウィルスと同じ微生物に属する細菌のなかには、食中毒を引き起こすブドウ球菌などもありますが、人間に積極的に利用されている乳酸菌などの細菌もあります。ウィルスとの共存は可能なのでしょうか?
ウィルスと細菌は同じ微生物に属しながらも、細菌はゆらぎのない生物であるとされ、ウィルスは無生物に近い中途半端な生物と考えられているようです。この中途半端さが、他の生物との間での共存を難しくしているようです。
今でもアフリカを中心に一日約1万人が犠牲になっているとされるエイズの病原体はHIVという名のウィルスですが、このウィルスは人間の免疫細胞を利用して増殖し、その後細胞を破壊するとされています。ウィルスが体内に侵入したとき、そのウィルスを食べてしまうはずのヘルパーT細胞を逆に利用して、自分のコピーを作っているようなのです。
マフィアが警察や警察学校に入り込んでその教育機能を利用して、マフィアの卵を作り出すようなものです。そこで使われている教科書のなかの”地域やみんなのため”という部分を”自分たちファミリーのため”と書き換えて教育させ、仲間を増やした後、用済みとなれば警察組織を破壊するという手口に似ています。
かくして、非常に単純な構造のウィルスによって、外敵と戦うための免疫機能が低下、無防備となるため、エイズは非常に死亡率が高い感染症である、とされています。
SARS(新型肺炎)の原因となるウィルスは新種であるために被害が拡大していると報告されています。つまり、体の防衛機能を行う細胞を利用して増殖するわけではないと考えることもでき、HIVよりはまし、と言えそうです。
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