編者は南の小さな島で生まれたのですが、日本で南の島というとそんな島が属する都道府県は沖縄か鹿児島か東京くらいしかありません。その小さな島の人達の多くがより大きな陸に憧れるようです。編者もその憧れに従って上京しました。そして久しぶりに島に帰ったときは何となく自分が大きくなったような気がしたものです。同じような経験は別の機会にもありました。
日本という島国を離れてより大きな陸、つまりユーラシア大陸の西にある国での用事が終わって成田に着いたとき、同じように自分が偉くなったような気がしました。しかし同時に、自分が大きいと思っていた日本の陸(本州)も実は世界から見れば小さな島の一つにすぎないということを改めて感じました。
かつてそのユーラシア大陸に属する国のある人々が日本には大陸棚は存在しないと発言したことがあります。当時その発言を聞いた編者は何となく嫌な思いがしたものです。たしかにいまの陸地のなすさまを見れば日本は島国に見えます。ところが数億年前は日本列島はユーラシア大陸と地続きでした。中国を分かつ揚子江は奄美群島の北部がその入り江でした。そのためハブという蛇の北限は奄美群島だと言われています。
日本が大陸であれ島であれ、大小の陸地に住む人々の属する地球は太陽のご機嫌を伺いながらその周りを一年かかって公転する惑星です。その太陽を中心とする我々の属する太陽系も銀河系のほんの一部に過ぎません。ところがその我々の属する銀河系でさえ宇宙のほんの一部です。より大きな宇宙は神秘に満ちています。
その宇宙は約46億年前に光があり、ビッグバンと呼ばれる大爆発の後、星くずが次第に集まって星々を形作ったと言われています。それが推定されている大宇宙ですが、それは井の中の蛙がその井戸の外の大海を知らなかったように、実は100億年前にある怪人が風邪を引いてセキをしために外に飛び出した体液の一部がもしかしたら我々の知る宇宙を作ったのだとしても不思議ではありません。
宇宙は空気の澄んだ夜にその姿をかいま見ることが出来ますが、自分たちの体を作っている細胞の一つ一つを形作る分子の世界を知る人々は分子や原子の世界を称して小さな宇宙と呼ぶようです。その小さな宇宙を競って解明している人々も多く存在します。それは人間という小さいながらも神秘に満ちた生き物を解明しようとする動きでもあります。
目に見えて解りやすい姿から受けるイメージはそれが大きいほど人の目を奪ってしまい、見えにくい価値あるものを隠してしまうという心理的なマスキング効果が働くのでしょうか?そのマスキング効果はより大きい物にこそ力が満ちていたという歴史が作り上げた思いこみかも知れません。でも今はもうそんな時代は終わりつつあるという気がします。
-2001/5/12
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