「マイナスイオンは健康に良いらしい」と聞いて、すでにその関連商品を手にしている人も多いと思います。これは一つのブームでそれに乗る、という楽しみ方もあります。しかし、困るのはその正体がよくわからないことです。
この『マイナスイオン』という言葉はminusとionを組み合わせて作られた和製英語だとされていますが、おそらく『陰イオン』や『ネガティブイオン』では訴える力が弱い、あるいは商売にならないために、新たに作られた言葉なのだろうと思います。
こうしたブームはテレビ・ラジオ・雑誌・新聞などのマスメディアや口コミが作りますが、もっとも大きな影響力を持つマスメディアは、マイナスイオン関連商品を出しているスポンサーに頭が上がらずマイナスイオンのことを悪くは言えないという傾向があります。
だからそうしたメディアから出される情報は、情報と称する宣伝であることが多く、インフォメーションではなくインフォマーシャルだと言われたりもします。私たちはこうした傾向を承知の上で出された情報に触れるしかありません。
ここで
マイナスイオン関連のプレスリリースを拾いながら最近の商品に触れてみたいと思います。日立のドライヤー発売記事のなかに、2002年でマイナスイオンドライヤーの比率が全体の31%(95万台)に達しているとする調査結果が紹介されています。マイナスイオンはもはや一時的なブームではなく、定着してきたと思わせるデータです。
『マイナスイオン』は健康に良い、という主張はおそらく正しいのだろうと思いますが、市販されている製品には疑問が残るものもあります。それはたとえば、
”マイナスイオンは出ているのかもしれないがプラスイオンも同時に出ているのではないか”、というものです。カタログには1cc当たり、何個のマイナスイオンが発生しています、とかかれてはいますが、プラスイオンの発生量は記載されていません。
強アルカリ性から強酸性までの、どのあたりにあるかを示すPHは一つの数値で決まってしまいますが、マイナスイオンの場合は、「マイナスイオンがあるからプラスイオンはない」とは言えない性質のもののようです。これは、教室に女子が10名いるから男子はいない、とは言えないことと同じ理屈です。
プラスイオン測定器やマイナスイオン測定器も別々に存在するため、費用と効果の関係で一方しかのせていないのかも知れませんが、片方しか載せないのは公平とは言えません。
上のドライヤーの場合は、髪にマイナスイオンを当てながら、放電によって同時に発生したプラスイオンは反対側から逃がせば良いわけですから問題ありません。しかし、部屋全体をマイナスイオンで満たしたいのなら、プラスイオンの行方が気になります。
よく例に出される滝の場合は、マイナスイオンは小さな水滴と共に空中に放出され、プラスイオンは川や大地に吸収される、と説明されているため一応理屈が通ります。マイナスイオン発生器で同時に発生するプラスイオンは装置内で吸収されている、あるいは室外に出されている、というのなら納得できます。
購入の前に、”同時に発生するはずのプラスイオンはどこへ行くんですか?”と、店員に尋ね、その返答がうやむやなら、やめた方が良いかも知れません。そうでなければ、マイナスイオンはお呪いになってしまいます。お呪いとしての効果も無視できませんが・・・。
-2003/7/26
●参考リンク
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.