映画『クロコダイル・ダンディ2』のなかに、ニューヨークにやってきた主人公ミックが自由の女神が見えるハドソン川に小舟を浮かべ、ダイナマイトを川に放り込んで漁をするシーンがあります。ダイナマイトを使って小さな地震を起こしていたことになります。地震と名がつけば規模を示すマグニチュードや揺れの強弱を示す震度があるはずです。ダイナマイトのマグニチュードはどのくらいなのでしょうか?
地震調査研究推進本部の
報告で30年後までに発生する確率が約40%、50年後となると約80%と予測されている南海地震は過去に繰り返し発生していますが、そのマグニチュードは7.9(1605年慶長地震)から8.4(1707年宝永地震)と推定されています。
この南海地震より早い時期に発生することが予想されているのは東海地震ですが、過去に起きた安政東海地震(1854年)のマグニチュードは8.4となっています。こうした大地震のエネルギーはどのくらいの規模なのでしょうか?
関東大震災(マグニチュード7.9)を例に取ると、放出されるエネルギーは、計算が間違っていなければ、日本の総発電量の4.4日分に相当します。(*1)
この逆をやるとダイナマイトのマグニチュードが計算できるはずです。一本のダイナマイトが発生するエネルギーを仮に800キロジュールと仮定すると、ダイナマイトのマグニチュードは0.7(*2)になります。マグニチュードはエネルギーの対数になるため、規模がさらに小さくなるとゼロを飛び越えてマイナスになることになります。
マグニチュード0.7の規模の小さな地震を水中で起こしたとき、ミックが乗っている小舟の上の震度はおそらく1程度で被害はゼロです。一方、たまたまダイナマイトのそばを泳いでいた水中の魚にとっての震度は計り知れず、被害は海上に浮かんでしまうほどの致命傷になりました。膨大なエネルギーを放出する地震から身を守るためには震源地から離れていることが一番のようです。
-2002/8/31
*1) マグニチュード7.9で放出されるエネルギーの計算
logE = 11.8 +1.5x7.9 = 23.65
E = 1023.65=4.47 x 1023エルグ = 4.47 x 1016ジュール
= 12.4兆ワット・時
D =1.24 x 1013÷ (1.019321x1015) x 365
=4.44・・・
(日本の一年間の総発電量(1996年): 1019321百万キロワット・時=1.019321x1015ワット・時)
(1エルグ=10−7ジュール(ワット・秒))
*2) ダイナマイトのマグニチュード
E = 800000 x 107エルグ
M = (log(8x1011) -11.8)÷1.5
= 0.735・・・
(ダイナマイト一本のエネルギーは80万ジュール(200g)と仮定)
■参考リンク