日本人なら誰でもこの健康で文化的な生活を得る権利は憲法で与えられています。これを保障しないと為政者(政治家や役人)は憲法違反になります。それを具体的に実現するのが国や地方公共団体の重要な役割です。そのために福祉政策が行われています。しかし、健康で文化的な生活とはいわゆる障害者を支援するためだけにに有るわけでもありません。自分は障害者では無いと考えている人の多くが「さて自分が健康で文化的な生活を送っているのだろうか」と考えたとき、そうではないと考える人も多いと思います。
- 健康とは何か?
ます健康で文化的というときの健康とは何かということです。専門家の意見によるとその定義はWHOにあり、それらは精神的、身体的、社会的によく生きている状態なのだそうです。このそれぞれについて考えてみます。
- 精神的
精神病などの心的障害が無い状態です。
- 身体的
体の一部やそれ以外の部位が正常に働く状態です。脚が脚として機能し、手が手として使える状態です。
- 社会的
学校、地域社会、就職して会社や団体などでの人間関係がうまく行っていることを意味します。
しかし、最近の健康に関して新たに加えられているのがspiritualと呼ばれるもう一つの要素なのだそうです。これはつまり、精神的に病んでいる訳でもないし、体に障害もない、仕事もそれなりにうまく行っているし近所づきあいが悪いわけでもない。しかし、何だか自分が何のために生きているのかよく分からない。これは”健康的なニヒリズムに陥っている状態”とも言えます。何か面白くない。健康とはこれらすべてがそろった状態ではないのかという考え方がうまれているということになります。
- 文化的とは何か?
文化とは文化の日に休むたびに考えながらよく分からないと考えることですが、編者は生活・習慣だと考えています。日本で言えばあまりに日常的で普段は意識しないものです。使っている日本語や行事や普段見たり聞いたりしているテレビや映画やラジオや食事その他を含む自分を取り巻く環境です。これらが自分と他人とは異なり、あるいは自国と他国とは異なることを考えれば自分独自のあるいは日本独自の文化を持っていることになります。自分を意識するためには他人を、日本を理解するためには他国を知る必要があります。
しかし、文化とは英語圏では”cultivated”です。これは自己の内面を耕した状態なのだそうです。つまりより成熟した状態を意味します。
- よく生きるという意味
すでに健康的であることの意味は書きましたが、健康的であると言うことは精神的、肉体的、社会的によく生きることであるといいます。よく生きるとは”well being” 日本語ではこれを福祉と訳します。
これまで書いてきたことは横浜市立大学の飯田先生の福祉論に関する放送を聴いて思い出すままにまとめたものです。編者の私見も入っていますので、詳細を知りたい方は飯田先生の講義があれば是非、幽霊学生として聴講されるのが良いかと思います。
この崇高な健康で文化的な生活というのはそれを憲法で持っている日本人がまだまだその域に達していないために、その崇高さ故に憲法を遠ざけ、何となく憲法には手をつけない方がいいと考えているのではないかとも思われます。戦争放棄ばかりが表に出る憲法を改正できるまでに日本人が成熟するためには、この健康で文化的な生活の意味を知ってからでも遅くないのかも知れません。
-2001/9/30
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