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時間旅行への憧れ


 タイムマシンが開発されなくてもたとえば20年前の地球を見る事は原理的には可能です。それは我々が住む太陽系の属する銀河系の外に飛び出しちょうど20光年離れたところから超特大望遠鏡で地球を見ればそれは20年前の地球です。しかしそれはおそらくぼんやりし過ぎている上に離れ過ぎているため手も足も出せません。

 物質そのものがエネルギーであるというアインシュタインの相対性理論が発表されて以来時間旅行の可能性が皆無ではないことを教えてくれています。ただ一つはっきりしていることは時間旅行が不可能でないのなら必ず遠い将来のどこかで発明されるであろうということです。そしてその時代になると過去をいじることの危うさのため十分に管理されていることが考えられます。

 過去にさかのぼって石ころ一つ動かしてはいけないという厳しい規則が作られるでしょう。石ころ一つでさえ出会いを生み、新たな子孫の誕生を可能にするからです。そしてその規則を犯したものには死刑という極刑が待っていることは十分に考えられます。

 となると時間旅行の手段を手に入れた子孫は規則に反しない範囲で先祖にメッセージを送ろうとして必死になるはずです。過去を覗くだけなら許される。しかし変えてはいけない。となれば見えないように、気づかれないように、偶然であるかの如く意志を伝えようとするはずです。

 事故で無くなった先祖を救うことはできなくても遺族の苦しみを和らげようとして必死になるはずです。物を与えることもできず、直接話をすることもできない。必ず当たる馬券を渡すわけにもいかない。

 誰もいない部屋に人の気配を感じるとき、それはあなたを心配する遠い子孫が様子を伺いに来ているのかもしれません。そんなときはその気配のする方を向いて、笑って大丈夫だと言ってあげましょう。ただし別の誰かに気づかれないように。 

-2001/1/22






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