右へ習へで皆と同じような行動をし、仲良く楽しくやりましょうと学校がそうした教育から離れられない日本では皆とは違う個人の意見を主張することは勇気がいることです。ところが海外では自分の意見を持たない人は尊敬されません。人の考えを知ることは自分にとって敵なのか味方なのかを知るために必要だからなのでしょうか?何を考えているのか分からない人は敵か味方かも分からず、気味の悪い存在であることは確かです。
自分の部屋に積もった埃を指差しながらこれはこの部屋の歴史だと主張する人さえいました。掃除をしないずぼらかもしれない人でさえそれを個性のごとく主張することは自分らしさを人に示すことなのかもしれません。そんな人たちが集まって創るハリウッドの映画は常に作者からのメッセージを感じます。メッセージはあらゆる作品に込められており、それを感じ取ることが出来るかどうかはそれぞれの人の感性の問題です。
分かる人にしか分からないという芸術的な作品に比べ、映画は万民にそのメッセージを伝えようとします。より多くの人に意思を伝えようとするなら人間の5感のすべてに訴え、疑似体験してもらうのが良い方法です。映画は視覚と聴覚と触覚の一部を使っています。残念ながら味覚や嗅覚はまでは伝えられません。
部屋を暗くして、画面を大きくしていくと、ある一定の視野角を越えるたところでその世界に引き込まれるようになります。NHKが開発したハイビジョンもそうした視覚的な心理を研究して画面の縦と横の比率や画面のきめ細かさが決められています。そうしてハード上の条件が揃ってくると後は画面の中でどれほど現実感のある映像を作れるかの勝負になります。
次は聴覚ですが、音が見る人の周りを取り囲むように映画ではドルビー・サラウンドが用いられています。それを家庭でも実現するためにDVDでは5.1チャンネルの音を出せるようになってきました。ただし、その分だけスピーカーも必要で、実際の家庭ではこの5つのスピーカーをどこに置くかという問題になってきます。いずれにしてもより現実の世界に近づけようとして映画やそれを再生する装置は進化を続けています。後は音響効果の腕によります。
振動も伝わったほうが良いということで、座る椅子も音に合わせて振動するように創られたものもあります。
迫力や臨場感のある画面や音は作者からのメッセージを受け取るための道具だとも言えます。この魅力にとりつかれた人たちは小さな映画館を自宅に作ります。メッセージをより感じることが出来る人は多くの疑似体験をすることになります。そして受けとったそのメッセージに惹かれるからこそまた観ようという気になるのでしょう。
今ハリウッドで創られる映画の中に含まれるメッセージは民族を超えた共通の価値観に訴えているように思います。敵はたいてい地球の外に居たり、あるいは最も身近なそれぞれの心の中に居ます。そしてその敵と戦うすべを知ることは誰もが求めることでもあり、それがためにヒットするのではないかと思います。
-2001/1/14
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