地元開催というのは、4年前のフランス大会でフランスが優勝したように、サポーターからの、そして国中からエネルギーを選手等が吸収してしまうのでしょうか。ここまで日本が勝ち進み盛り上がってくると、にわかサッカーファンもできれば大型スクリーンで観戦したいという気分になります。盛り上がりに合わせて近くの映画館で放映するといったことは可能なのでしょうか?
- 放映権
試合が行われる各自治体は事前にFIFAと交渉して、パブリックビューイングと呼ばれる大型スクリーンによる放映を実現しているようです。富士北麓(ふじほくろく)で市民団体が設置しようとしていた大型スクリーンはW杯日本組織委員会(JAWOC)から待ったがかかりました。営業ではなくても、この調子ですから営業となる映画館での放映は、盛り上がりが読めないこともあり、限りなく不可能に近いと言えます。
放映権と言えば、スカイパーフェクトTVとJC(NHK+民放)は総額250億円とも言われる放映権料をFIFAに支払うことになっているはず。下手をすると放送局の経営が傾きかねないくらいの高額な放映権料です。そんな高額な放映権料を払うことで各放送局は放映権を得ています。
その放送局から放送される番組を大画面で無料で観戦しようとするときに、どうしてFIFAは”放映権”を主張して待ったをかけることができるのでしょうか?それは酒税がのったビールの価格に5%の消費税をかけている税金の二重取りに似た理不尽さが感じられます。
- 会場と人数
何万人も入る会場で1000人くらいで観戦するとかなり盛り上がりに欠けそうです。新人アイドル等のイベントはわざと狭い会場にファンを押し込めて盛り上がっているように見せる技がよく使われます。会場選びにもノウハウがあるようです。
- マナーの悪さと自治体のやる気
せっかく獲得したパブリックビューイングの権利を、一部のファンのマナーの悪さが原因で中止する自治体が増えているようです。中止の理由は「市民の安全が確保できない」からだそうです。しかし、フーリガンの騒ぎをはじめ、W杯開催とそれに伴う騒動は昔から知られていることです。「安全が確保できない」のであれば、会場招致そのものをすべきではないし、一部にマナーが悪い人がいれば、その人を逮捕すれば良いだけの話で、連帯責任をとる必要はないと思います。中止の本当の理由が「面倒なことを嫌う”瀋陽領事館の職員”と同じような心理」でなければ良いがと思います。日本が勝ち進んだ場合に、中止のままでいられるかどうか疑問が残ります。
- 放映できない映画館のもう一つの事情
映画館の白い大きなスクリーンの上に映像を映すための映写システムは今でもフィルムが使われているようです。十数名の小さな劇場ではビデオ・プロジェクターが使われていることもありますが、リアルタイムで放送されるサッカーの試合を映画館で上映しようとすれば、フィルムを使わないデジタル化(電化)がどうしても必要になります。
ハリウッドで制作される映画にいくらデジタル技術が使われても、できあがった作品を世界中に配給するときにはフィルムに焼いてそのフィルムを世界中に配送する必要があります。ワールドカップの放送はフィルムではなく電気信号なので映画館で上映することはできません。
デジタルの映写システムを個々の映画館が採用できれば、映画の配給が容易になるだけではなく、あらゆる映像を扱うイベントを映画館で行うことができるようになります。ゲームの名人戦を映画館で開くという、ファンにとっては堪えられないような企画も可能になります。
ではそんな時代がいつやってくるのかと言えば、日本ではアニメ映画『千と千尋の神隠し』で実験が行われたそうです。データセンターと映画館を光ファイバーで結んでデータを送り、大画面の投影が可能なDLPプロジェクターを使ってスクリーンに投影します。
DLP方式のプロジェクターはホームシアター用にも各社から販売されていますが、原理的に強い光を効率よく投影できるため映画館などの大画面でも明るく高精細な映像を楽しむことができます。映画の制作、ネットワーク、映写システムなど映画館をデジタル化するために必要な技術は揃いつつありますが、映画関係者には古風な人が多いらしく、デジタル化実現の日は遠い先のことになりそうなのだそうです。
- 国立競技場での中継イベント
競技場に常設された7メートルx19メートルの大型スクリーンを使って中継する有料(入場料3000円)のイベントも好評なようです。主催するのは『パブリック・ビューイング・イン東京 実行委員会』ですが、売上高一兆円を超える広告の”電通”がFIFAから開催権を取得したとさわれています。
今回のW杯のテレビ放映権は4年前に1150億円で落札されていた報道されていますが、落札した会社の一つにスイスのマーケティング会社ISLがあり、電通はそのISLに出資していたという関わりもあるようです。チケット販売はぴあが行っており、この辺も手慣れているという印象があります。
-2002/6/15
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