10月12日の朝6時前、JRの某駅に向かっていたら改札のあたりで駅員が数名、繰り返し何か叫んでいた。”電車が止まったのか”と思ったがそうではなかった。
自動改札を見ると磁気カードを入れる挿入口もICカードをタッチする部分も、シートがかぶせてあった。駅員が「そのまま通ってください」と言うので言われるまま中に入った。
しかしそこで、ちょっと嫌なことを思い出した。
パスモが使われ始めてまもなく、いつものようにスイカで私鉄の改札から入場し、最寄り駅で降りようとしたら、ピンポンと鳴って出られないことがあった。窓口で駅員にカードを渡すと駅員はそのカードを機械に入れてチェックしたあと戻してくれて「もういいですよ」と言ってくれたが、私はなぜピンポンと鳴ったのか理由を聞いた。すると、入場記録がなかったという。そこで駅員に「ちゃんと入場しましたよね」と聞かれたので「もちろん」と応えたことがある。
自動改札機を通さずにそのまま改札を抜けた場合、当然のことながら入場記録は残らない。これは不正乗車をしようとした人と同じ状態になるので、このままでは「不審者」のまま。外には出られない。
”到着駅で改札を出るときに面倒なことになりそうだ”と嫌な予感がした。
定刻通りにやってきた電車に乗ってからまもなく、車内のアナウンスがあった。この路線の自動改札が始発から動かない状態だという。しばらくするとまたアナウンスがあった。動かないのはこの路線だけではないという。とうなっているんだ。
駅に到着し改札に向かうと、やはりそこもシートのようなものがかぶせてあって、駅員らが「そのままお通りください」という。面倒なことにはならずに外に出ることができた。入場も出場も記録がないので、今回は「不審者」にならずに済んだ。
昼になってニュースを見たら、トラブルは首都圏のあちこちで起きていた。停止したのは日本信号製の改札機だけらしい。
帰りは改札が使えるようになっていた。何が原因だったのだろうか?ニュース番組では専門家が、改札機を立ち上げるときに、データの照合がうまくゆかなかったのではないか、と話していた。どういうことなのだろうか?原因を考えてみた。
パスモもスイカもICカードと呼ばれてるが、そこに自分の名前とか残金とか入場駅などのデータが蓄えられているわけではないはずだ。あるのはID番号の情報のみ。カードに組み込まれたICは改札から放射される電波を受けてICの電源が入り即座にID番号を電波に乗せて返すしくみ。そのIDで改札機のコンピュータが入場時に記録をとり、出場時に通していいか判断する。
しかし当然のことながら、入るときと出るときの改札機は異なるので、データをやり取りするためのネットワークが必要になる。
ICカードのシステムは、改札機に小さなコンピューターが入り、そこのデータを駅単位でまとめ、ホストコンピュータに知らせるしくみになっているらしい。だから自動改札機を朝立ち上げるときに、ホストと改札機のデータが一致しているかどうか、チェックすることになる。このチェックでエラーが発生したようだ。
もしかしたら、日本信号系のホストコンピューターのシステムでバージョンアップが行われていたのかもしれない。
ICカードの中に入場記録や残金のデータすべてが記録されているのなら、今回のような問題は起こらないはず。しかしそんなICカードでは、かつてのテレホンカードのように、データを改ざんされそうだし、電源の問題などもあって使い物にならないような気がする。
いずれにしても「不審者」の記録はカードそのものではなくホストコンピューターに蓄えられているので、駅で処理してもらわないとその疑いは晴れない。ICカードをどんなにきれいに洗っても火であぶってもダメなのでご注意を。
●追記
12日の夜に、「不正使用の恐れがあるクレジットカード情報を、日本信号製改札機のプログラムが読み取る過程でエラーが発生したのが原因」と発表された。
この発表の意味するところは、クレジット機能のあるICカードを使った人がいて、たまたまその残金が足りなかったため、改札機のコンピューターはクレジットカードからICカードに不足分をチャージした。このため使用した人は無事に改札を通り抜けた。
ところが、改札機だけではクレジット決済処理ができないため、毎朝改札機の立ち上げのときに、チャージ処理が正しく行われたかどうかホストコンピューターとのやりとりでチェックを行った。
このときに、エラーが発生した。ということかもしれない。
-2007/10/13
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