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携帯への電話代はなぜ高いのか?


 ここのところ、どうも電話代が高くついているようなので、明細を調べてみたところ、その大部分は携帯への電話代であることが分かりました。編者はケーブル電話を使っているのでNTTに比べると安い通話料ですんでいるのですが、この機会に明細をもとに3分間の電話代を比較したところ、以下のようになっています。


■携帯への通話料金の現状

J-COM → 一般加入電話 J-COM → J-PHONE
昼間市内 県外100kmまで夜間 県外160km超夜間 深夜 夜間
3分間 7.9円 34.0円 51.0円 60.0円 90.0円
1時間 158.0円 680.0円 1020.0円 1200.0円 1800.0円

 仮に隣の部屋に携帯を持った相手がいたとしても、料金という観点から考えた場合の携帯までの距離は日本中のどこよりも遠いということになります。上のケースはケーブル電話であるJ-COMから携帯のJ-PHONEへかけた場合です。

 携帯への電話でおもしろいと思ったのは通話時間が10秒間の場合(夜間)、10円しか通話料がかからないと言うことです。従って、両方とも自宅にいる場合は、一度携帯で電話して、「これから一般電話に電話をかける」と告げて、すぐに携帯を切り、電話を掛け直せば密談がゆっくりできます。同じ市内なら、一番電話をかける頻度が高い平日夜間で比較すると、10倍以上の開きがあります。

 さて一般電話から一般電話、一般電話から携帯への通話料金を比較すると、以下のような事実があるようです。

  1. 双方が市内にいる場合は、携帯に電話すると10倍も高い
  2. 課金が秒単位で細かい
  3. NTTドコモへかけた方が、それ以外(au、J−PHONE、ツーカーセルラー)にかけるより約3割安い

 これだけ料金に差があるということは、携帯へは長時間かけるものではないという意味にもなります。それならそれでも良いのですが、問題なのは料金体系が複雑でわかりにくいこと、一般電話の方に課金されるため気がつきにくいということです。

 携帯電話が現れた当初は、自動車電話とおなじく、限られた人達が利用していたので、料金が高くても問題は無かったのですが、いまの携帯はもうそうではありません。あと数年も経てば、携帯の定額料金化、常時接続のための基礎的条件が整ってしまいます。この流れは止められません。

 電話料金の体系が複雑でわかりにくいために、料金が下がりにくいという事情があるとすれば、何のために複雑になっているのかということにもなります。利用者の利便を考えたはずのマイライン登場で、逆にわかりにくくなったように思います。

 通信業界を指導する立場にある総務省も高すぎる一般加入電話から携帯への料金を下げるように各社に指導していたようです。おそらく、”ついに、言われてしまったか・・・。”と考えた関係者もいたのではないかと思います。もっとも、どう高いのかよく知らなかった人の方が多いのかも知れませんが―。

 昨年の12月から今年の3月にかけて、通話料金は以下のように値下げされました。下の料金は一般加入電話から隣の部屋の携帯にかけた場合(地域内および隣接県)の料金です。地域によって料金は異なるため、詳細はリンク先の各社の発表資料で確認してください。

事業者 旧料金(3分間)
昼間/夜間/深夜
新料金(3分間)
昼間/夜間/深夜
改訂時期
KDDI(au) 170円 120円/-/- 2002/3/21
J-PHONE 150円〜170円 120円/-/- 2002/3/29
ツーカーセルラー 150円〜180円 120円/-/- 2002/3/29
NTTドコモ 100円/90円/60円 80円/80円/60円 2001/12/1

 一番上にJ−COMからJ−PHONEに電話した場合の3分間と1時間の料金比較を行っていますが、これはどうも値下げ後の料金であるようです。つまり、値下げしてもなお、10倍以上の通話料の差があるということになります。


■事業者側の事情

 携帯電話というのは無線機なので、当然のことながらアンテナが必要です。しかも、送信と受信の両方が必要な双方向の通信であるため、放送のようにテレビ塔からまとめて発射しておしまいにするわけにはゆきません。電波を出すことはできても、それぞれの携帯からの電波を受信することができないからです。

 そこでアンテナを備えた基地局をあちこちに作ることになります。携帯の世代が新しくなれば、新しい基地局も必要になります。それらの費用は携帯一台あたりどのくらいかかっている計算になるのでしょうか?

 TCA(社団法人電気通信事業者協会 )の発表資料による2002年3月末の事業者別契約者数と各社の設備投資(2000年度)から計算すれば、その概要を推定することができます。

事業者 契約者数
設備投資額
携帯一台あたりの投資負担額
KDDI(au) 12,214,200 約3000億円 約24000円
J-PHONE 12,232,000 約3000億円 約24000円
NTTドコモ 40,783,000 約1兆円 約24000円

 携帯一台あたりの負担額は、不思議なくらいに各社共通となり、年間平均約2万4000円となります。最近は学生にも普及させるため割安な料金プランが用意されたり、携帯の価格そのものを安くして、1,2年で買い換えるように促したりしているので、その分を通話料に上乗せすることになります。

 ところが、携帯を持っている人だけにそれらの費用を負担してもらうと通話料が高くなりすぎるために、携帯に電話をかける人にも負担してもらおうというのが、割高な一般加入電話から携帯への通話料ということになります。こうすると負担する人が増えるので、携帯を持っている人の負担が減ることになり、携帯の利用者が増えることにもなります。


■利用者としての自衛策は?

 企業は収入を確保しないと生きてはゆけないため、値下げしないことが不利益になると判断しない限り、進んで安くすることは無いだろうと思います。そこで携帯への通話料を少しでも安くするための自衛策を考えてみました。(以下の料金は関東です。)

  1. ドコモにする
     昼間/夜間/深夜に3分間電話をかけた場合を比較すると、昼間が一番有利になります。深夜になると差がありません。

    1)  80円/ 80円/60円 (一般加入電話 → NTTドコモ)
    2) 120円/100円/60円 (一般加入電話 → au)

  2. BBフォンからかける
     同じように、昼間/夜間/深夜に3分間電話をかけた場合を比較すると、携帯各社への料金は共通であるため、ドコモ以外にかける場合は安くなるようです。

    1) 120円/100円/60円 (一般加入電話 → au)
    2)  75円/ 75円/60円 (BBフォン    → au)

 BBフォンだけを考えてみても、BBフォンから一般電話へは3分7.5円で、携帯(昼間・夜間)へは75円です。ここでも、携帯への料金は10倍です。やはり携帯への電話は緊急連絡用だと考えた方が良いということでしょうか?

-2002/4/30-5/1




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