最近、60年代から80年代の懐かしい曲をジュークボックスのように流し続ける、あるインターネット放送を聴きながら、静かな衝撃を受けています。理由はインターネットラジオが”聴けるラジオ”に変わりつつある、と感じたからです。
一般のラジオとインターネットラジオの違いは何でしょうか?乾電池を入れて電源を入れ選局つまみを回すだけで聞こえてくるのが普通のラジオですが、インターネットラジオは、パソコンが持つ数多くの機能の中の一つに過ぎません。何でもできる機械は、いざとなると何の役にも立たない機械になったりしますが、インターネットラジオもその例に漏れず、これまでは実験段階、あるいは”オモチャ”であったように思います。しかし着実に進化を続けていたようです。
●よくなってきた音質
最近よく聴く
BNetRadioの転送速度は64kbps(WMA, stereo)で、従来のラジオで言えば、限りなくFM放送の音質に近づいている、と思います。従来のラジオの音質は電波事情に左右されるためけっして良いとは言えません。AM放送なら電波塔から近く木造の家に住めば良好ですが、鉄筋の住宅だったり遠すぎたりするとノイズが多くて聞き難くなります。FM放送の場合、よい音質で聴くためにはFM専用アンテナが必要ですが、実用的とは言えません。ケーブルテレビでFM放送をついでに送ってくれることがありますが、放送局により信号レベルが異なり不安定で、局によってはステレオやヘッドフォンでは聴くに耐えないこともあります。
一方インターネットラジオは、音声圧縮の効率化やブロードバンド化が進み、音質面では従来のFM/AM放送をしのぎ始めています。
BNetRadioを聴けば実感するはずです。
●既得権に脚を引っ張られてきたインターネットラジオ
ラジオのなかで代表的な番組と言えば、ニュースと音楽だと思いますが、この二つはラジオが生まれた頃からラジオに与えられた重要なコンテンツだったようです。遠く離れた人々に、生活に必要な情報と娯楽を提供することが、ラジオの役割だったからです。そしてその役割は今も変わっていないと思います。変わったことと言えば、技術の進歩によってより遠くへあるいは逆により狭い限られた人たちだけに届けることが可能になってきた、ということだと思います。
インターネットラジオ界で聴けるニュース放送と言えば、イギリスの
BBC、アメリカの
NPR、オーストラリアの
ABC、南アフリカの
Talk Radioなどが頭に浮かびます。いずれも英語圏で残念ながら日本語の24時間生放送はありません。NHKは何をやっているのでしょうか?NHKは法律で受信料をとる特別な権利を与えられているわけですから、海外の邦人や従来のラジオが聴けないところにもラジオ放送を届ける義務があるはずです。
インターネットラジオの前段階と言える24時間のニュースチャンネルをNHKが予定していることについて、民放各社が反対したようですが、民放側はNHKの脚を引っ張っている場合ではありません。この発言は視聴者のためではなく自分たちの既得権を守るためだけにだだをこねているように聞こえ説得力がいま一歩です。
既存のラジオ番組をそのままインターネットでも流して欲しいと思うことがよくあるんですが、これができない理由の一つに、東京や大阪のキー局がインターネット放送を始めてしまうと地方の聴取者が地方の放送を聴かなくなり、地方局へ入るはずの広告収入が激減し地方局がつぶれかねない、という問題がようです。
しかしインターネットの方が、アクセス解析を利用するなどして、聴取率をよりよく知ることが可能で、広告料も取りやすいのではないか、という気もしますが、はっきり分からない方が良い、と考える人もいるのかもしれません。
スイッチをひねればお気に入りの番組が聴けたり、停電でも電池さえあれば聴ける簡便さがラジオの売りであるなら、飛んでくる電波が東京タワーからであろうが、電話用やパソコン用の親局からであろうが、そして周波数がいくらで、著作権料がいくらであろうが、それは送り手側の事情であって聴く側には関係のない話です。
聴取者にとって重要な情報や娯楽を提供できる局が生き残るんだろう、と思います。
-2004/11/7 初版
-2004/12/28 推敲
<PR>
アマゾン
>
「インターネット放送」に関する本を売れている順番に探す
「ラジオ」を売れている順番に探す
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.