黒い背景に白い文字で”ERROR”と表示されたのは三日前の木曜日。原因はウィルスでもなく、時の流れとともにファイルが壊れ続けてシステムが不安定になったわけでもなく、実はハードディスクそのものが壊れてしまったのです。このコラムは木曜日から本日の日曜日まで続いた闘いの記録です。
- ドライブを分けただけでは安全ではない
OSやアプリケーションソフトはインストールし直せば元に戻るのですが、問題なのは自分で作ったデータです。そこで、必要なデータはバックアップを取ることになります。ところが、トラブルは常に忘れた頃にやってくるのです。
バックアップは肝心なときに限ってやられていないと言う教訓を得た編者は、OSはCドライブに置き、データはDドライブに置く、という具合にドライブを分けて、PCが立ち上がらなくなってCドライブを初期化する場合でも、Dドライブは生き残れるようにしていたわけです。ところがこの方法は、建物は同じで、部屋を分けて住む人が異なるアパートやマンションのようなもので、建物自体が壊れたらどうにもなりません。
ハードディスクのクラッシュとはまさにこの状態で、初期化しても元には戻りません。今回、ハードディスクを交換して気がついたのですが、壊れた原因はどうもヘッドにあったようです。実はこのヘッドは一個ではなく、ディスクの構成によって複数個が存在します。そのうちの一個が壊れたことが考えられます。
- MS−DOSモードでの最低限のコピー
エラーが発生したとき、Windowsは立ち上がらず、DOS(黒背景の状態)は立ち上がっていました。これはつまり部分的に動ける状態にあったことになります。壊れていないヘッドがついた一部のディスクにかかれたデータはフロッピーディスクに以下の命令でコピーできる可能性があります。この命令を使える人は使った方が良さそうです。ちなみに編者は気がつくのが遅くてこのコピーさえやらなかったのです。
c:\>copy *.* a:
- ハードディスクの交換
使っているPCの調子が悪くなったら買った店に行って修理してもらうのが安全です。しかし、ハードディスクの交換は意外に簡単です。編者が使用しているのはIBMのThinkPad
390XというノートPCですがこのハードディスクの交換(換装ともいう)を調査しながら以下の手順で行いました。
- 何を買えば良いのか?
A4やB5サイズのノートPCにはディスクのサイズが2.5インチ(直径約6cm円盤ディスクを使用)、厚さが9.5mmという内蔵型のハードディスクが使われているようです。
メーカーは富士通・日立・東芝・IBMなどです。最近のトレンドは流体軸受けと5400rpmです。流体軸受けは回転するディスクの軸受けに従来のボールベアリングではなくオイルを使ったもので特長は音が静かなことです。静かなノートPCがほしい場合は流体軸受けタイプにした方が良いのですが、その前にファンのついたノートPCを選ばないようにすることの方が重要です。ハードディスクよりファンの音の方が大きいからです。
5400rpmとはハードディスクの中で使われているディスク(磁気を帯びた円盤が一分間に5400回、回るというものでこれまでの4200rpmのものより25%高速です。IBMの藤沢事業所で開発された技術が使われており、今年の4月に発売される予定です。このハードディスクを使えば、Windowsの立ち上げを始め、ディスクを頻繁に読み書きする場合のスピードが向上します。
- どこで買えば良いのか?
kakaku.comで調べてみると40GB(ギガ・バイト)で20000円というのが相場のようです。通信販売が一番安いようです。ところが編者は近所の店で以下のハードディスクを購入しました。
メルコ 30GB 26、000円
容量も小さく、値段も高いのに購入した理由はその店にたまたま置いていたからですが、店で買えば、店員にノートPCの型番を告げ、購入するハードディスクが使えるかどうかを聞けるということもありました。買った後使えなければその店員に相談することができます。どうも、ほんの少しの形状の違いで使えないケースがあるようです。
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- 交換の仕方
これはノートPCのマニュアルに書いてあります。390Xの場合は電源プラグを抜き、バッテリーをはずし、LCDの蓋を閉めて裏返します。コインでネジを緩めるとハードディスクが飛び出さないようにしているカバーがはずれます。
黒い布でできた帯を引っ張ると銀色に光るケースに入ったディスクが出てきました。購入したハードディスクと大きさやコネクターの形状が違うように見えたのでショックを受けました。しかし、よく見るとコネクターも金属のケースもバラバラになり、中から”HITACHI”製のハードディスクが出てきました。購入したメルコのハードディスクもよく見ると中身は”HITACHI”製です。ケースに入れ直して本体に戻し交換は完了しました。
- リカバリー作業
PC購入時に内蔵されていたディスクの容量は12GB、交換後は30GB。さて空っぽのハードディスクにソフトを入れる必要があります。選択枝は以下の三つでした。
- リカバリーCDを使ってもとの状態に戻す
- Windows98SEのみをインストールする
- この際WindowsXPを導入する
ハードディスクの容量が増えているので元に戻るかどうか不安でしたが、1、を選択し、リカバリーCDで元に戻すことにしました。これはノートPC独自のハードには独自のドライバーが必要な場合が多く、OSのみのインストールでは、後でそのドライバーをインストールする余計な手間がかかる可能性があるというのがその理由です。
Windowsのアップデートはまた別の機会に考えることにしました。XPにアップグレードしなければならない理由が見つからないからという理由もあります。
容量が増えたにもかかわらず、リカバリーCDを入れて電源を入れ直し、手順に従ったところ、リカバリー作業は無事に完了しました。
不満なのは30GBも容量があるのに、Cドライブは2GBで、しかもFAT16だということです。逆に言うとFAT16だから2GBの制限があるということになるのですが。2GBしかないのでこれまでもよく残り容量が足りなくなって警告が出ていました。しかし、今は使える状態に戻すのが先決です。
- パスワードが無い
リカバリー後にブラウザの設定、ホームページビルダーや日本語変換ソフトATOK14のインストールと続きました。今回のハードディスククラッシュで失った個人データには以下のものが含まれています。
- この一年間に撮った写真のデータ
- 当サイトのデータ
- メールデータ
- 各種ユーザーID、パスワード
サイトのデータは幸運にもジオのサーバー上に残っていて公開されているので、そのすべてを一度ダウンロードする必要があります。ところがパスワードが見つからないためアクセスそのものができません。困りました。
- 旧PCからのパスワードのコピー
一年くらい前まで使っていた富士通のビブロの中に設定したままのFTPソフトが残されていることが分かりました。ところがパスワードは”******”のようにアスタリスク(*)に隠されていてコピーができません。
実はこの設定データはWindowsフォルダの中の”Application data”フォルダの中に置かれています。Ibm → Home
Page Builder のなかのsiteフォルダーをまるごと現在のPCにコピーしました。
パスワードだけのコピーはわかりませんがパスワードを含む設定全体のコピーはこうやって行うことができます。
メールを始め、他のデータも消えてしまったため、クラッシュ物語はしばらく続きそうです。サイト訪問者のみなさん。最低限のバックアップをお忘れなく。
-2002/4/7
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