名作と呼ばれる映画「カサブランカ」には主題歌として「時の過ぎゆくままに」が使われています。この曲は大人の恋を歌ったラブソングですが、ただのラブソングではありません。そこには、恋愛と時間の関係が歌われていて、時の流れとともに大事なこと(fundamental
things)が見えてくる、と繰り返し語られています。
このコラムでは、名曲「時の流れのままに」の歌詞(
As time goes By lylics)を読みながらそしてその意味を考えながら、恋愛と時間の関係について考えてみたいと思います。太字の部分は歌詞の意訳です。
これだけは忘れちゃいけない。
あのときのキスはただのキス。
あのときのため息はただのため息。
時が過ぎゆくにつれ、
君は大事なことを知ることになる。
過ぎ去った恋を振り返るとき、ただのキスじゃないからこそただのキスだと言い、ただのため息じゃないからこそただのため息だと言ってみせる。今この瞬間に感じていることよりもっと大事なことを時は教えてくれるに違いないから、今は静かに時が過ぎ去るのを待つことにしよう。
そして二人の恋人から同時に
「愛している」と言われたら、
二人の言葉を信じてあげなさい。
たとえどんな未来が待っていたとしても。
時の過ぎゆくままに。
このくだりは、映画「カサブランカ」のストーリーそのものです。ただの恋愛なのか、それともそれは愛情にまで深まっているのか、それは時が経てばわかる、と言っているように思えます。
月の光とラブソング−それは決して色あせることはない。
情熱に満ちた恋−妬みと憎しみ。
女には男が必要だし男にも女が必要だ。
これは誰も否定できない真実。
それは昔から変わらない恋の話。
恋と栄光のための闘い。
生きるか死ぬかの闘い。
世界はそんな恋人たちをいつでも歓迎している。
時の過ぎゆくままに。
大昔の人が恋をしたように、今の自分たちも恋をしているので、人類は何の進歩もしていないんじゃないか、という気がすることもあります。しかし、そうじゃない。大事なことは今も昔も変わらないんだ。それは時が教えてくれる。そう言っているような気がします。
"As time goes by"のAsは「time goes by(時が過ぎゆく)」の頭につく接続詞ですが、いろいろな用法と意味が辞書には載っています。
時は過ぎてゆくけれども、これだけはわすれちゃいけない、とも読めるし、時が過ぎゆくにつれて、君は大事なことを知ることになる、とも読めるし、そのうち大事なことがわかる時がくるから、時のすぎゆくままにしておけばいい、という意味にとれます。
また、多くの意味を持っているということは、それだけいろいろな意味に取れる曖昧語であることを意味し、それゆえに聞く人のそれぞれの過去にしっくりといくのかもしれません。
-2006/12/11-12
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