春には珍しくよく晴れたある日、
恋についての話を聞いた。
それは青年に恋をした口の達者な女性の話、
彼女は昔から一人の青年を慕っていたという。
ところが年頃になった頃、
そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、
青年は別の女性と婚約してしまう。
その話は彼女にも伝わった。
彼女はあきらめるしかない。
まもなく結婚式が行われ子供もできた。
それでも彼女はあきらめきれなかったという。
ところが子供は無事に生まれたものの、
産後の肥立ちが悪く、
赤ん坊を残して奥さんは亡くなった。
それから、
彼女は青年の妻になり、
生まれた子供の母になった。
口が達者であっけらかんとした性格に見えることと、
一人の青年を思い続けることとは矛盾しない。
年月が過ぎ去り、働き盛りのかつての青年は、
突然明け方に亡くなった。
彼女はまた一人になった。
こんどは天に大事な人を奪われた。
もう帰ってくることはない。
恋はやってきたかと思うと、
すくに過ぎ去る白い雲のようだ。
雲を待ちながら空ばかり見ていると、
恋がブルーに見えてしまう。
-2003/3/22
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