
近距離でつきあっているときには、無意識に味わっている五感からの情報。一緒に食事をしたときの料理の味とか、そのときやそれ以外のときの匂いや香り、そして恋愛の進展具合によって大きく差が出る触覚による刺激、聴いては気持ちを動かされる相手から発せられる声、笑顔や寂しさの表情を伝える視覚など。
離れて暮らせば、それまで当たり前だと思っていたことでも失うものが多かったことに気づくことは多い。耳は専ら電話の声を聞くために使われ、目は写真やメールを見るために使われる。鼻も舌も皮膚の感覚も出番が無くなる。
それを寂しいと感じるから遠距離恋愛は楽じゃない。それでも、気持ちが伝わらない訳じゃない。もしかしたら、退屈かも知れない以下の理論に耳を傾けて欲しい。
日本はおろか、地球からも遠く離れて旅立つ惑星探査機がある。その探査機は惑星でとらえた鮮明な画像を送ってきてくれる。ちょっと離れるとテレビやラジオが受からなくなることを考えると不思議なくらいに鮮明だ。どうやって届くのだろうか?
そうした鮮明な画像を送ることを可能にする基礎的な理論、「平均情報量より大きな通信容量を持つ伝送路ではあいまい度を限りなく小さくする符号化が存在する」というシャノンの符号化定理を編者流に解釈すると、「どんなに離れていても、どんなに障害(ノイズ)があっても、限りなく正確な情報を送ることが出来る」と言い換えることができる。この考え方を基礎にして作られた通信機器が働いて、鮮明な写真が地球に届くことを可能にしている。
それは「どんなに離れていても、伝える手段が言葉しかなくても、より正確に自分の気持ちを伝える方法は必ず存在する」と言っているようにも聞こえる。しかし、「遠距離恋愛でお互いに伝えたいことは多くあるから、伝えたいこと(情報量)は多く、とても限られた伝送路である電話やメールで送れる量じゃない。」と考える専門家もいるかもしれない。
しかし、伝えたいことは多いようでありながら、本質はお互いの「好意」を確認すること。その二文字を伝えるのであれば、電話やメールで語り尽くせないことも無い。
さて、ここで敢えて”符号化”の意味を考えようとすれば、それは「好意」を伝えるために自分の気持ちを言葉に翻訳することが符号化であると考えられる。この”符号化”(自分の気持ちを言葉に置き換えること)の良し悪しによって、恋愛が成功するかどうかが決まることも多い。
-2001/9/6
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