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風邪の予防に「気合い」は効くか?


  ”風邪かな”と思ったとき、”ここで気を抜くといよいよ風邪を引いてしまう。ウイルスは弱気を狙うらしいし”などと、どこまで根拠があるのかわからないことを考えたりします。実際のところ、気合を入れると風邪を引きにくくなったり、早く治ったりするものなんでしょうか?

 このへんのからくりは、自律神経と免疫の関係から説明できるようです。体内で、自分の意志とは関係なく働いてくれるのが自律神経です。その自律神経は昼用と夜用の二つのタイプの神経に分かれています。活動するための昼間用が交感神経、休むための夜用が副交感神経です。

 しかし、活動と休息の神経といういい方はあまり正確ではないようです。コンピュータで言えば、交感神経は、たとえばメールやワープロが動いているときに働くプログラム、副交感神経はメンテナンスや修復のために働くプログラムで、どちらも働いているからです。

 動かなくなったコンピューターに向かって、どんなに「頑張れ」と叫んでも、「気合いが足りない」と激を飛ばしても、動き出すことはありません。修復のためのプログラムを動かすか、それでもだめなら修理するしかありません。

 ところが人間はコンピューターに比べると遥かに複雑で柔軟性があります。それまでベッドで寝込んでいた役者が、気合いを入れることにより立ち上がり、何事も無かったかのようにステージに立って
役を演じてみせたりします。

 しかしこの複雑さと柔軟性がくせもので、頑張り続けると交感神経が優位となり、体のメンテナンスや修復が後回しになります。つまり見た目は元気ですが、体はガタガタのままというわけです。

 風邪のウイルスが体内に進入してきたとき、体内ではそのウイルスを撃退するために白血球内のリンパ球がそのウイルスと戦いますが、このとき、リンパ球の働きやすい環境をつくるのが副交感神経プログラムで、たとえばリンパ球が働きやすい温度に体温を押し上げます。

 ところが、気合いを入れて頑張ってしまうと、交感神経優位となり、修復のための副交感神経プログラムの働きが悪くなります。しかし、表向きは、熱が上がらず咳もあまり出ない状態で、風邪の症状が治まったかのように見えてしまいます。

 しかし、これは風邪が治りつつあるのではなく、ウイルスとの闘いを先送りしていることになり、風邪を長引かせたり、こじらせることになりかねません。

 気を抜いて副交感神経が優位になれば、途端にくしゃみが出て熱が出て、風邪の症状が出てきたりしますが、体内はウイルスと戦う戦場になります。

 というわけで、気合いを入れて頑張るのもほどほどに、しましょう。

-2007/2/3




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