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「大腸がん検診」体験記


 毎年初夏に行われる定期健診で「便に潜血あり」の結果が出た。再検査をするように、と連絡 はもらったが、再検査の内容も知ろうとしないまま、ついつい先延ばしして日々は過ぎていった。

 そして秋になり、面倒見の良い健康管理センターの担当者から、「今は大腸癌も治る時代になっ たし、さっさと検査を受けた方がいいわよ」という内容のメールが届いた。いきなり癌の宣告? 仕方が無い、と観念して検査について調べてみると、一回目は検査の説明を受けて下剤をもらい、その後二回目で検査をするらしく、計二回病院に通う必要があるようだ。”面倒だな”と思いつつ、またついつい先延ばしして日々が過ぎていった。

 そして冬になり年が開けたある日、テレビでたまたま癌検診の講演が放送されていた。その放送は、癌検診の実情を知るいい機会になった。なお、この放送は民放でもNHKでもなく、ケーブルテレビの地元向けチャンネル。その放送によると、どうもこういうことらしい。

 @大腸癌は女性より男性の方が倍多い。
 Aまず大腸内にポリープが出来て、それから数年で癌化することがある。
 Bだから五十を過ぎたら年に一回検診を受けると早期発見になり問題もない。

 しかし、検査とは内視鏡検査のことで、大腸にカメラのついた光ファイバーを入れて検査し、ポリープが見つかればその場で取ってしまうこともあるらしい。その風景は想像しただけでもおぞましい。当然のことながら、大腸の中をきれいにするために、事前に下剤を飲まねばならない。バリウムを飲んで「宇宙遊泳」をする胃の検査でさえサボっている筆者としては、できればそんな屈辱的な検査は避けて通りたいところだ。

 しかし二月になり胃の調子が悪い日が続いたため、ついに観念して近くの病院の内科を受診した。そして、便の潜血の話をしたら、胃の検査より先に、大腸癌の検査を受けることになった。ただし、その病院で出来るのは大腸にバリウムを流し込んでレントゲン写真を取る検査法。検査は一週間後に決まった。

 検査結果の精度を上げるためには大腸の中をキレイに空っぽにする必要があり、検査の前日に検査食を食べることになった。検査食については、”「検査食」はうまいのか?”をご覧になっていただきたい。

 検査当日、朝六時前には座薬の下剤を使い、さらに大腸の中を空っぽにする。そして昼前に検査。病院ではお尻り側が開いた使い捨てのパンツを履き、さらに浴衣風の、二箇所をひもで縛る検査服に着替えた。そして、検査台に壁を向いた格好で横になった。

 するとまもなく看護師さんがやってきて、「検査食」はうまかったですか」の質問。この質問は単純な興味からというより、こうやって場をなごませる狙いもあるような気がした。そして、お尻から管を差込み、中で風船らしきものを膨らませて抜けにくくした。

 圧迫感はあるもののたいして痛いものでもなく、管はパンツを履いたまま差し込むのでお尻全体を見られることもない。なるほど、こうやるのか、と感心するのが半分、観念しておまかせ気分、というのが半分だった。

 その後検査技師がやってきて、管を通じて薄めのバリウムが大腸に流し込まれ、指示に従いながら、仰向けになったりうつ伏せになったり、半身になったりなどを繰り返して約20分。実際のところ、サボっていた胃のバリウム検査より倍はかかったような気がする。

 しかし終わってみると、屈辱というより、一皮向けたような、あるいは修行を終えた僧が山から下りてくるときのような、ある種の達成感を味わうことができた。

-2007/2/27
-2007/3/15タイトル変更



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