ベルリンで開かれていた今年のIWC(国際捕鯨委員会)の総会は6月19日で終わったようですが、その前日の18日には日本がやっている調査捕鯨をやめるように求める決議案が反捕鯨国の賛成多数で採択されたそうです。
こうした動きは毎年のように繰り返されていて、日本はその採択に関係なく調査捕鯨を続けているわけですが、それだけではなくIWCの負担金をもう払わない、とか、IWCを脱退する、とかをちらつかせています。この不愉快なニュースにどう向き合えば良いのでしょうか?
IWCの総会が開かれるたびに、”日本は鯨を捕る野蛮な国”という宣伝がされているようで、不快ではあるのですが、それは表向きのことです。このニュースは同時に、以下の点をもまた宣伝していると思います。
反捕鯨に力を入れているのはアメリカで、そのアメリカもかつては強力な捕鯨国だったこと。そのアメリカは鯨の脂だけとって後は捨ててしまうろくでなしだったこと。ところがその脂がいらなくなったことや、ベトナム戦争で地に落ちたアメリカのイメージアップをはかるために反捕鯨を利用したこと。そのベトナム戦争ではアメリカによって枯れ葉剤などの”大量破壊兵器”が使用されたこと。その枯れ葉剤で今でもベトナムでは奇形の子供たちが生まれ、苦しんでいるらしいこと。
さらに、アメリカの環境保護団体は地球を守るためというより、その団体を職場として働く人たちの既得権を守るために、エネルギーや資金が無駄に費やされているらしいこと。
このようにして、アメリカがみずからのイメージアップに利用したはずの反捕鯨運動は、どうしてもかつての、忘れかけていたアメリカの野蛮な行為を思い出すきっかけになるため、アメリカの汚いイメージにつながってしまいます。つまり、少なくとも個人的には、”アメリカの反捕鯨によるイメージアップ戦略は失敗だった”、と考えています。
日本はIWCを脱退すべきかという点ですが、ここで反捕鯨に動くアメリカに怒りをぶつけ、敵に回すのは得策ではないと思います。
”(あなたの命を)いただきます”という言葉で始まる日本の食習慣にみられるように、長い歴史を誇る食文化を持つ大人の国としての日本が、アメリカに感情的な態度で応じたら、それこそホントの野蛮な国に成り下がってしまいます。
日本は持続的な鯨資源の活用のために、そしてその論拠となるデータを集めるために、調査捕鯨を淡々と続ければ良いのだろう、と思います。
-2003/6/22
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