最近はニッポン放送株をめぐってライブドアとフジテレビが争っていますが、なぜ株だ株だと、騒いでいるのでしょうか?株の起源を知ると、ニッポン放送株の問題もよく見えてくるかも知れません。
株は大航海時代に始まったとされていますが、そこに登場するのはたったの三者です。それは、
A.金はあるが、使い道が無くて困っている人
B.計画はあるが、資金が無くて困っている人
C.知恵はあるが、仕事が無くて困っている人
仕事のないCさんが資産家のAさんにこう持ちかけます。「いま大きな舟を作って東方へ航海し香辛料や金銀財宝を持ち帰り一儲けしようという計画があるんですよ。資金を出してみませんか。途中で舟が沈めば、投資した金は失うことになりますが成功すれば巨万の富が得られます。これが株券という奴で、成功すれば持ち帰った財宝と引き替えできます。」
「私にもその株をくれ」、などと隣で話を聞いていた人まで乗ってきたかどうかは知りませんが、かの「東インド会社」はこうやって出来たんだそうです。つまり株は三者が儲けを分け合うための手段です。
現在でも、たとえばパン屋をやろうとすると、先に材料を買わねばならないのに作ったパンが売れるのはその後、という具合につなぎの金が必要になります。店舗や設備を用意するためにも資金が必要です。銀行からその金を借りたり貯金を使ったりするのが一般的ですが、株を発行して資金を集めるという方法もあります。しかしこのやり方は日本ではあまり流行ってはいません。これは戦後、国中の資金を銀行に集め産業を復興することが国策だったから、とされています。
株を公開するのは手持ち資金を増やし経営を安定化するためだとされています。だから、どこの馬の骨だか解らない奴に乗っ取られるためじゃない、と株主を敵視する向きもあるようですが、両者はその事業での成功を目指すという点で一致しています。
と言うわけで、株主は目的を共有する同志であり大事にすべきなのに、フジサンケイグループはなぜあんなにライブドアを嫌い、しかも見苦しいくらいにうろたえているのでしょうか?しかも23日、ニッポン放送は新株予約権(新しく発行する株式を割り当てる権利)をフジテレビに与える、という商法違反すれすれの計画を発表しました。なぜニッポン放送はこうまでしてフジサンケイグループにとどまりたいのでしょうか?
それは日本のメディアが、事実上新規参入が出来ないなど、保護されており、居心地が良いからだろう、と思います。それはこういうことです。日本ではラジオ・テレビ・新聞・雑誌などのメディア関連企業が株を持ち合い、グループを作ることが可能ですが、こうした資本のあり方は、あのアメリカでさえ禁止されています。それは第四の権力と言われるメディアが巨大になりすぎるからです。
でもどんなに巨大なメディアグループもうかうかしていたら時代に取り残されてしまいます。かつて大型コンピューターが小さなパソコンにその役割を奪われたように、時代は集中から分散へ向かっています。
情報の送り手と受け手の仲介役を意味するメディアも従来のテレビや新聞などのマスメディアからインターネットへと確実に移行しています。つい最近、ニューヨークタイムズ紙がIT企業を買収、というニュースも流れたばかりりです。
海の向こうでは従来のメディアがIT企業を買ってそのノウハウを手に入れようとしているわけですが、日本ではよっぽど第四の権力の座が心地良いのか、動きがスローなようです。
フジテレビはライブドアという『苦い薬』を飲んだ方が得、だと思います。
-2005/2/24
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