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笑いのツボとは何か?


 年初のコラムとしては笑いについての話題が良いかもしれません。笑いは人間に与えられた人間であるが故の高度な機能だと思います。亡くなった落語家の桂枝雀師匠は本題の落語を始める前の枕で、”笑いとは緊張が緩和するときに起こる”と話していました。

 何とも落ち着かなくて緊張しているときにその緊張が解ける瞬間に笑いが起こることは日常経験していることです。番組の締めできちんと事を進めようとしているときにわざと転んで笑いと取る人がいます。お笑い芸人はこうした瞬間を見逃さない感性に恵まれているのではないかと思います。同じような状況で、発生する出来事として”忘れ物”があったりします。これには困ったものですが、笑いは人を困らせることがありません。

 緊張からその緩和に移る瞬間に笑いが起こったり忘れ物をしたりするのは、緊張状態からそれがゆるんだ状態にジャンプする心理的距離に関係があるのかもしれません。

 日本では笑いの文化は漫才や落語という形で”話芸”として継承されていますが、海外でもジョークとして笑いは頻繁に出てきます。気の利いたジョークを話せることが紳士をめざす人にとってのたしなみであったりするようです。

 そのジョークに興味を持ったことがある編者は、幸運にも5600ものジョークを集めた書物【5600 Jokes for all occasions】を手に入れました。その書物のジョークは個人的なもの【Individuals】と公的なもの【Institutions】に分類されています。

 このなかにはいわゆる罪のないジョークと罪のあるジョークが含まれています。人種的な差別や身障者を差別するなどいろいろと読む人によっては罪のある話題が含まれています。おそらく、差別する側は優越感を、差別される側は劣等感を感じるからこそ罪のあるジョークなのかもしれませんが、その優越感には実は根拠がないこと、劣等感にも同じく根拠が無いことを感じ取れるからこそ、それを表現する手段としての笑いに持ち込めるのかもしれません。

 エンターテイナーとしてのお笑いはそのへんの高度な表現をステージで演じて支持され続け、生き残っている人達ではないかという気がしています。

 しかし、辛辣(しんらつ)なジョークに根強い人気があることも確かです。米国のケーブルテレビではエスニック・ジョークと呼ばれる人種的な特徴を捕らえたジョークが放送されています。字幕を読みながらそれを見た編者は確かに面白いと思いました。ただしこのジョークも一つ間違えると笑えないただの不快な差別に終わります。笑いはかなりきわどい世界を綱渡りしているのかもしれません。

 以下に、ジョーク集の中から、最近編者には縁がないキスについての、どこかで聞いたことがあるような二つのジョークを紹介して終わりにします。(和訳は編者によるものなので納得のいかない方は原文をご覧下さい。)



-2002/1/1




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