安倍さんらがNHKの番組内容を変えさせたとの朝日新聞の報道に始まる今回のゴタゴタは識者らが言いたいことを言っているため、何がどうなっているのかよく解らない状況にあります。本当のところはどうなんでしょうか?
今回登場するのは政治家2名、朝日新聞、NHK、NHKの内部告発者1名の4グループですが、まず朝日新聞はなぜ今頃になってNHKに対して政治介入があったと報道したのでしょうか?
このとき肝心なことは先入観を持ってはならない、ということだそうです。たとえば政治家について言えば、自分のところの先生が嘘をつくはずがないとか、逆に政治家が本当のことを言うはずがない、などです。
NHKに対しては、NHKが嘘を報道するはずがない、逆に最近のNHKが政治家の言うことをきかないはずがない、などです。朝日新聞なら、我らの朝日新聞が嘘を報道するはずがない、そして逆に朝日の報道はねつ造に決まっている。
内部告発者に対しては、こいつは裏切り者でろくな人間じゃない、あるいは逆に勇気ある人で嘘をつくはずがない、などです。先入観はとかく極端になりがちで、そのために何が起きているのか読み解く能力を著しく欠いてしまいそうです。
朝日新聞はなぜNHKに対して政治介入があったと報道したのか、に戻りますが、聞いた話によると、テレビや新聞など、メディアに関わる人たちはいつもネタ探しに追われているんだそうです。これはもちろんテレビなら視聴者、新聞なら読者を引きつけるためです。
朝日新聞の12日の報道もそのネタの一つであると考えるのが自然です。現在関心を持たれているNHKの不祥事ネタで行こうということになったのだと思います。ここにもNHKの不祥事という現実があると再構成を行い紙面をつくるわけです。NHKは4年前も政治介入を受け入れていた、という筋立てです。
もちろんこうしたストーリーを考えるのは朝日新聞に限った話ではありません。メディアでは一般的な話のようです。しかしこれに加えて、メディアリテラシーで著名なジョン・プンジャンテ(
John J.Pungente)さんの分類によると、メディアそのものが政治的意味を持ち、独自の考え方や価値観をも伝える存在である、という点も無視できません。これは何を意味しているのでしょうか?
つまりNHKの政治介入というネタに、北朝鮮に制裁するべきではない、という独自の価値観が加わったわけです。実際4年前の番組改変に際して安倍さんらが絡んでいれば、まさに一石二鳥です。これによってNHKと、経済制裁を主張する安倍さんらを同時に叩くことが可能だからです。
これは最高のネタだと有頂天になり、しっかりとした記事に(確実に再構成)するように、という空気が流れても何の不思議もありません。気合いを入れすぎたのか、再構成の初期段階、つまりHHKや安倍さんらへの取材の段階で無理があったようです。安倍さんやNHKの反論を聞いていると、少なくとも今回はNHKの方が説得力がある、と感じました。
朝日新聞はこれからどうするんだろうか、というのが私の見方です。皆さんはどう感じたでしょうか?今回の問題はメディアリテラシーの良い教材になるように思います。
-2005/1/20
●関連コラム
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.