払わずに済むものなら払いたくないと考えるのも人情だし、贔屓(ひいき)の役者にはおひねりの一つでもやって応援したいと考えるのもまた人情です。
もしあなたがNHKには一円も払いたくないと日頃から思っているのなら、「観ていないので払いません」ときっぱりと断る必要があります。こうした毅然とした態度は悪徳商法に引っかからないためにも日頃から身につけておく必要があります。するととぼけた集金人はこう反撃するかも知れません。
「NHKは公共放送なので国民は払う義務があります。」
これは立派な脅迫です。そのときはこう答えましょう。
「同じ公共という言葉が使われているバスや電車などの公共交通機関の人が玄関までやってきて、乗ってもいない人に、「乗車料」と称して金を請求するという話は聞いたことがありません。NHKは国民の自由な意志には関係なく強制的に支払いを強いる団体なのですか?(NHKは国営ではなく特殊法人です)。
集金人が「皆が払っているのに払わないのは不公平です。」と言ったら、「”皆が”というのは嘘です。嘘までついて受信料を集めたいのですか?」と答えましょう。
もしあなたがNHKの番組づくりに共感し応援したいと思っているのなら、この機会に自動振り込みにしてしまいましょう。支払いは半年に一回の自動引き落としで、しかも毎月払うよりお得です。
実際のところはどうなのでしょうか?NHKの番組を横目でちらちら眺めながらも、受信料を払っていない人は後ろめたさを感じているはずです。払っている人でも受信料制度には疑問を持っている人が多いのではないでしょうか?
受信料制度に対する疑問の背景には二つの理由があるのではないかと考えています。一つ目は受信料制度が市場原理を無視しているという点です。
通常私たちがお金を出して何かを手に入れようとするときは財布の中身と、品物や手に入れようとするものの価値を比較します。高すぎると思えば買わないし、安いと思えば”買い”となります。
NHKの番組をあまり見ない人が受信料を高すぎると感じるのは自然だと思います。市場原理に慣れた日本人の多くが、破綻した計画経済のしくみにも似た受信料制度に従うためには思想的な洗脳が必要です。
もう一つは”国民の義務”にたいする考え方の変化です。NHKの受信料を払うことが国民の義務だと放送法にあるのだとすれば、それは思想・信条の自由を唱う憲法の精神に反していると思います。
ここで憲法を持ち出すまでもなく、これまで国に”義務”だと言われて国民の多くが素直に従ってきたのは、明治以来の富国強兵や戦後の所得倍増や経済発展のために国や国民が一丸となって前に進むことが、自分たちの幸福につながっていたからだろうと思います。もう、そんな時代は終わりました。
NHKの優れた番組に接して感動し、番組スタッフや出演者におひねりのひとつでも渡したいと考えている人でも、受信料制度に従って払うしかありません。
受信料を払うには高すぎると感じて払っていない数百万、数千万人の人達に、後ろめたさを感じさせる精神的な不衛生さをもNHKが同時に”放送”していることも否定できません。コマーシャル方式の方がまだ健全だという気がします。
-2002/10/8
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