最近全体的に読み書き能力が落ちているらしい、ということが話題になっています。本を読まなくなったからでしょうか?「最近の大学生は本を読まずにマンガばかり見ている」、と言われたのは20年も30年も前の話です。ということは本を読まなくなったことだけが原因ではなさそうです。
やっぱり読解力が落ちたらしい、と話題になったのは昨年12月に発表された国際比較(OECD40ヶ国)で、高校生の読解力が8位(2000年調査)が14位(2003年調査、2004年12月発表)と、3年の間に下がってしまったことでした。
さらにこの三月になって、小学5年生と中学2年生を対象にした4県で行われた学力テストの結果からも、読解力不足が目立ったとされています。つまり、ここ三年で日本全体が小中高共読解力が落ちたらしい、と言われていて、それは最近行われた「ゆとり教育」のせいだとされているわけです。
しかし、だから本を読みなさい、では読解力はつきそうな気がしません。何しろ親や先生の世代からして、本を読んでいないわけですから。子供は、マンガを見て肩を揺らしている親の背中を見て育ったのです。きっと。
活字(本)であれ音であれ絵(マンガ)であれ、あるいは動画(アニメ他)であれ、面白いものがあればそれにとびつくのが自然です。逆にそうでなければいけないと思います。それはまるで海や森に出かけて獲物を見つけては捕ってくる漁師や狩人と同じだろうと思うからです。
しかし漁師や狩人を続けるうちに気がつくはずです。知的資源が取り尽くされ、しだいに同じものの焼き直しになっているのではないか、ということをです。現に一つの原作が様々なメディアで使い回わされていることは指摘されているところです。
その昔、人類が狩猟から農耕へ移り、捕る時代から育てる時代に変わって文明が築かれたように、個人の知的好奇心もまた、面白いものをただ見つけてくる時代から、たとえば活字を見て、そこから音や絵のイメージをふくらませ(育て)、より深く楽しむ時代に入っている、という気がします。
親より先生より先に、子供の方がそれに気がついているのかも知れません。
-2005/3/6
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.