幼き日々は遠き昔ゆえに
その細かきところの
欠けたるを補わんとして尾ひれが付きやすい
さりとて尾ひれを付けたいとも想わず
ただ有り難きを伝えんがため
粗忽なるが故の過ちは
幾たび繰り返すとも知恵として身に付かず
その日も母に使いを頼まれては
詳しきを聞かずして得意げに足の方が先に動き出した
行き先の近くの畑に着いたところまではうまく行った
ところが母に言われた野菜の名前と実物が一致しない
畑のあまりの多種なる野菜の多きに
途方に暮れながら日も暮れてゆく
己の愚かさに気づいては悲しくなった
その日はなぜだかやけに悲しく
広き畑は答えを出してもくれず
使いという些細なことが
世の一大事だとばかりに想えて
なおさら気持ちが落ち込んでいった
それからどのくらいの時間が経ったのか
待てども帰らぬ粗忽な息子を気にかけて
ついにその畑まで足を運ぶことになった母は
怒ることなくただ迎えに来てくれたことが有り難い
私の小さな失敗を
家族に話すこともなく静かに日々は過ぎ去りて
今の自分に続いている
-2001/5/23
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