ホームレスの中には、一日中アルミ缶を集め、それを売って日銭を稼いでいる人がいるそうです。一日働いて稼ぎは800円くらいだとか。また海外では一日中水汲みをして一ドル稼ぐ人がいる、という話も聞きます。ずいぶん少ない金額のようですが、いずれも仕事を構成する二つの要素を含んでいると思います。
アルミ缶は道ばたに一個落ちているだけだとただのゴミですが、それが集まると価値ある資源に変わります。その価値ある資源に変貌したアルミ缶群を売って現金に換えるわけです。水も遠くの池や川にあるだけならただの水ですが、洗濯や賄いに使える場所まで運べばその価値は涙が出るほど上がります。その価値を認めるからこそ少額とは言え金を払うわけです。
これらはいずれにしても、
@ものの価値を上げたあとで、
A換金している、
ことがわかります。
会社はたとえば価値ある製品を作り出しそれを売って金に換え、さらにその金を従業員に分配するシステムができあがっているから、働くと金がもらえる、ということになります。さてこの二つの要素を踏まえながら、世の中で仕事と呼ばれていることがらに当てはめてみたいと思います。
たとえば専業主婦はもっぱら家事一切を請け負う仕事人です。汚れた衣服を洗濯しきれいにしてその価値を上げます。そのままでは食えない食材を価値ある料理に変貌させ、あるいは汚れた部屋をきれいにして部屋の価値を上げ、またさらに何も出来ない赤ん坊を育てて世に送り出すなど、さまざまな価値を生み出しているにもかかわらず、換金手段を持たないため、残念ながら世間の評価は今一歩です。
一方、パチンコ屋には溢れんばかりに玉を出し、景品交換と呼ばれる換金システムを利用して金を稼ぐパチンコのプロもいます。パチンコのプロは何らの価値も生み出していないように見えるかも知れませんが、彼らは店内で溢れんばかりに玉を出し、それらを積み上げて見せびらかすことで周囲の人々に希望を与え、パチンコ店を盛り上げたりもしているわけです。
価値を生み出すことと、その価値を換金して現金に変えることを、一人でやるのは大変なので、たいていは分業化しているものです。農産物などの価値を生み出す農家の人たちは、かつては換金システムを農協に頼っていました。旨い米を作っても、それを金に換えるためには、農協に頼るしかなかったわけです。
ところが換金システムを構成する三つの要素、つまり、品物の価値を伝えるための情報発信、品物と金銭を交換する決済手段、品物を運ぶための配送手段、を個人が利用できる時代になってきました。インターネットと宅配便を利用した地方発の直販を思い浮かべるとよく解ります。
昔は換金できるシステムを独占的に持っていた組織が貴重で強かったのですが、換金システムを個人が利用できる時代になってくると、価値を生み出せるところが貴重になってくるのかも知れません。
それにしてもその価値とは何なのか、それが問題です。
-2005/9/9
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