ついこの間まで小泉さんの応援者だったはずの田中真紀子衆議院議員が、気がついてみると敵陣へ回って小泉さんを攻撃しています。このへんの事情と今後を占うために、田中真紀子議員のしっぺ返し的利他行動、つまりリベンジについて考えてみたいと思います。
すでに別のコラムでも取り上げましたが、コウモリでも属する集団の中では獲ってきた餌を与え合うなどの助け合い(利他行動)が見られるそうです。ところがそれも、相手が何度か裏切りを繰り返すと、次からは餌を与えなくなり、さらには無視するようになるとのことです。しかもこのしっぺ返しは哺乳類以上の高等動物にみられる共通の性質です。
つまり人間なら誰でも、裏切られたら可愛さが余って憎さが百倍となり、仕返しをしたいという欲求が生まれ、その方向に向かうやる気が生み出されるのです。仕返しの方法は人によってさまざまですが、その目的が達成されると、急速に意欲がしぼんでしまう、という共通の性質もあります。
最初のうちは、小泉さんならやってくれるかも知れない、と期待して総裁選で応援し、小泉政権成立後は外務大臣になって盛り上げたところまでは良かったわけですが、年が明けると外務省とのごたごたで大臣を辞めるように言われ、さらに秘書の仕事をしてもいない人の分まで給料をもらっていたと疑われたために二年間の党員資格停止の処分を受けて無所属となり、これでは仕事にならないと議員を辞職しました。
その後、秘書は仕事をしていたということがわかって疑惑は晴れたものの、党は党員資格停止の処分を取り消そうとはしませんでした。そこでこの11月の衆議院選挙では無所属で立候補して当選、国会に戻ってきました。しかも衆議院の会派は民主党と同じです。
帰ってきた田中真紀子議員のエネルギーは政権交代のために費やされているようです。しかし、政権交代がリベンジのためにあるのなら、それが実現した途端にエネルギーを失い、細川政権のときのように短命で終わってしまうかも知れません。今回は大丈夫なのでしょうか?
おそらく、自民党をぶち壊せない小泉さんへのリベンジが終わったら、次はアメリカ一辺倒の外交しかできな外務省に向かうはずです。しかし、この外交のあり方を変えることは、政権交代よりはるかに難しそうです。
というのも、それと知った米国が、かつての田中首相がそうであったように、21世紀の”コーちゃん”のような人に、小沢さんや菅さんらのスキャンダルを語らせるかも知れません。
アメリカ一辺倒の外交から抜け出すためには、周到な準備が必要になりそうです。
-2003/11/18
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