相変わらずオレオレ詐欺の被害が続いているようです。オレオレ詐欺の手口は公表され、毎日のようにニュースをにぎわせているのに、どうして被害が続いているのでしょうか?なぜ騙されてしまうのでしょうか?
それは疑いから確信に至るメカニズムに関係があるように思います。テレビショッピングの番組を見ても、たいていの人は宣伝ほど良い製品であるはずがない、と疑いながら見ていると思いますが、もし家族の1人が、この製品は本当に良いらしいね、と言い、さらに友人からも同じような話を聞いたら、その宣伝を信用してしまうはずです。つまり、
@テレビの宣伝
A家族の話
B友人の話
の三連発により疑いから確信に変わった、と思われます。これはたとえば国の王と側近の関係でも言えることです。たとえば王がまずい演説をしても、王を持ち上げる側近が三人もそろえば、王はいい気分になれるに違いありません。1人が感銘しましたと語り、もう1人が皆も涙を流して聞き入っていましたと語り、最後の1人が歴史に残る名演説でした、と続ければ、王は喜び騙され判断を誤り国は早晩滅びるに違いありません。
こうした傾向は、人々の日頃の生物としての行動パターンに原因があるのではないか、と思います。見知らぬ街で友人に良く似た人を見かけても、世の中には良く似た人いるもんだ、と思うだけでしょうが、もしその声まで似ていれば、さらに匂いまで似ていたら、たとえ異国の地であったとしても、友人であるに違いない、と確信するに違いありません。なぜなら視覚と聴覚と嗅覚の示す情報が同じ方向を向いているからです。
つまり三つ以上の情報が同じ結果を示していれば、たいていの人は信用してしまうのではないか、と思います。二つの情報が一致しただけでも結構信用するものです。もし昼寝している人に、その人がいつも使っている目覚ましをかけ、さらにいつも見ている朝の番組を録画しておいて目覚ましと同時に流せば、朝だと確信しすっかり騙されてしまうでしょう。
オレオレ詐欺はその手口が知られてしまったため、登場人物を増やすなどして、信用させるための情報を増やそうとしています。交通事故の被害者からの情報、警察官からの情報、そして弁護士からの情報など。でっち上げた事故の証言者の数を増やすことで、話に真実みを加えています。
オレオレ詐欺に引っかからないようにするためには落ち着くことが大事だと言われています。これはどういうことでしょうか?
自分の中には、冷静な自分がひとりと、感情に動かされやすい自分がひとり、少なくとも二人はいると考えることができます。このうち感情に動かされやすく、しかもエネルギーに溢れ力持ちのひとりを、オレオレ詐欺は巧みに自分の側につけようと策を練っています。
オレオレ詐欺に引っかからないために最も効果的な防衛手段は、知り合いなど別の人に相談することだそうです。これはつまり、信用出来る情報は、自分の手で増やすしかない、ということになるようです。
-2004/11/16-19
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