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飲酒運転者の心理と対策



 最近、飲酒運転による痛ましい事故が続いています。特に印象に残っているのは、福岡でRV車が乗用車に追突され博多湾に転落した事故です。RV車に乗っていた幼児3人が亡くなりました。加害者はひき逃げの疑いで逮捕されており、これはもはや、事故というより事件です。飲酒運転に効く対策はあるのでしょうか?

 飲酒運転は大きく三つのタイプに分かれるように思います。一つ目はうっかり飲んで運転してしまう「自認的うっかり派」。二つ目は自分は酔っていないと言い聞かせながら運転する「否認的確信派」。最後は事故になるかもしれないと思いながら運転する「自認的確信派」です。

 「自認的うっかり派」への対策は酔っていることを認めていることから、罰則の強化や言い訳になるようなことをなくせば効きそうです。実際、平成14年6月に行われた飲酒運転に対する罰則の強化で、飲酒運転による事故がおおきく減少したとされています。

 一方、三つ目の自認的確信派はほとんど自殺に等しいため、どちらからというと自殺対策が必要になりそうです。問題は二つ目の、酔っていることを認めようとしない、「否認的確信派」です。このタイプのドライバーの場合、飲んでいるかどうかをチェックする呼気検査を拒否するケースもあるようです。

 さっきまで飲んでいたのに自分は酔っていないとか、飲んでから時間が経っているから大丈夫などと、酔っていることを認めようとしない否認的確信派の心理は、アルコール依存症患者の「否認」にみられる心理によく似ているように思います。

 ストレス解消とかで飲み始め、アルコールに依存するようになった常習者の場合、いくら罰則を強化しても、そもそも自分は酔っていない、と自分に言い聞かせているため、その効果には限界があります。その先大きな事故を起こることになろうが、あるいは刑務所に入ることになろうが関係ありません。「飲んだら乗るな!」と、彼らに健全な判断やモラルを求めるのは困難です。

 となれば、痛ましい飲酒運転事故を構成する要素を一つ一つ取り除いてゆくしかありません。その要素とは、

 1、飲酒に向かわせるストレス社会 
 2、酒や車を買うための経済力
 3、判断力を鈍らせるアルコール
 4、運転手も飲める居酒屋のシステム
 5、酒気帯びでも運転席に座れる車のシステム

 酒も居酒屋も昔からありましたが、それにストレス社会や車や車を買う経済力が加わりました。そんな時代の変化のなかで、もうすでに飲酒運転事故に対する痛ましいイメージや飲酒運転者に対する腹立たしいイメージが、酒や居酒屋や車業界のイメージにかぶりつつあります。

 酒も居酒屋も車の業界も、高い広告費を使いコマーシャルを流し、自らのブランドイメージを上げようと躍起になっているのに、一方では飲酒運転事故によりジワジワとそのイメージが劣化しています。何もしないで手をこまねいていると、取り残される時代なのかもしれません。

-2006/9/18-19


   
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