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靖国問題で誰が得をするのか?


 一日に小泉首相が靖国神社に参拝し、いつものようにそれに対して韓国と中国が非難しているという報道がされています。戦争責任があるとされるA級戦犯がまつられていることから、参拝すると言うことは過去の中国や朝鮮に対する侵略戦争を肯定することになるじゃないか、として非難しているというわけです。

 日本とロシアの間に北方領土問題があるために日露間の関係はなかなか先へ進みませんが、これは米国にとっては都合が良いことだったようで、戦後の占領時にも気づいていながら放っておいたようです。

 そういう意味では、靖国問題は韓国や中国側も日本側も譲ろうとはしないはずなので、なかなか東アジアの国々は仲良くなれない、ことになります。これは別の言い方をすると、仲良くなってもらっては困るという人たちがいるのではないか、ということにもなります。

 国内に問題を抱えている場合でも、日本という共通の敵の存在を際だたせることで国民の不満や苛立ちを別の方向へ向けることができます。しかし、国内の経済問題などを国と国や民族間の問題にすりかえてしまうのは非常に危険です。

 それは国や民族という概念がなんだかよく分からない、幻のようなものだからです。覚醒剤常習者が幻覚を追いかけて通り魔になってしまうように、国は民族という幻を追いかけて戦争を起こしてしまうようです。

 ユーゴスラビアがかつて経済問題で苦しんでいた頃、為政者が自らの経済政策の失敗を民族問題にすり替えたために、ユーゴ紛争に発展し民族浄化というおぞましい悲劇を生んだ、と言われています。

 日本という国のくくりが明治になってから強調されたことは、それまで日本には国旗がなかったということからも分かります。民族もどのへんが境なのかよく分からないところがあります。

 日本人でありながら、中国の農村の風景にどこかノスタルジーを感じてしまう人もいると思いますが、それも偶然ではないようです。自分の先祖も3000年くらいさかのぼると、稲作で栄えていた中国の民にたどり着くことがあり得るからです。

 これは朝鮮半島も同じようなもので、靖国や核や拉致、さらには社会主義とか共産党とか、明治から昭和にかけての不幸な時代をのぞけば、国というくくりよりは、遠い先祖の一部が住んでいたらしい地域というとらえかたをする方が自然だと思います。

 日本の首相は靖国に参拝すべきか、という議論に加わることは、靖国問題を扱うことを仕事にしている人たちの思うツボだという気がします。

-2004/1/2




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