香港の謎の市民団体が、中国もその領有を主張している尖閣諸島に上陸しようと試みたものの、現場付近で海が荒れ、船酔いが激しいこともあって、上陸を断念し、近くの中国(浙江省温州付近)の港に戻る予定だということが報道されています。
参加者はインターネットで集めたとされていますが、こうした活動が自然発生的に起こったとは考えにくいところです。これから書くことは筆者の推理に過ぎませんので、まじめに受け取らないようにお願いします。
今回の活動家の首謀者は中国政府の意を汲んでいるか、あるいはこうした活動によって中国政府に取り入ろうとしているかの、いずれではないか、と考えています。そう考える理由について列挙し、説明を加えたいと思います。
<香港jの事情>
「香港には仕事場としての魅力はなくなった」という話をよく聞きます。それ以前から、香港は輸出国(地域)でもあり、市場でもあったのですが、その話も久しく聞きません。香港はSARS問題以前から景気が悪く、仕事もない、状況が続いているようなのです。もし、活動家が香港市民なら、活路を別に見出そうと考えたのかも知れません。
<エネルギーが足りない中国>
かつてオゾン層について調べたときに知ったのは中国はもうすでに、米国に次ぐ、世界第二位の二酸化炭素(CO
2)排出国だということです。理由は石炭を多く消費し、さらに省エネも進んでいない、という事情があるためです。日本ならもっと燃やす技術があるのに、中国はもったいなくもそれを煤(すす)などの不完全な形で空にに放出しているというわけです。
それでもまだ自国のエネルギーを自国でまかなえているうちは良かったのでしょうが、最近になって中国はエネルギー輸入国に転落しています。つまり、日本と同じように、エネルギーのためなら魂も売りかねない、状況に近づきつつあるのです。
最近、経済が落ち着いてきて石油生産も順調になってきたとされるロシアは、有力な石油輸出国へと成長しているそうです。中東の石油に頼ってばかりでは困るというので、日本はシベリアの石油を優先的にゆずってもらおうとしてます。
サハリンの天然ガスはなんとかまとまりそうだというニュースが本日(6/23)ながれましたが、シベリアの石油を狙っているのは日本だけではありません。中国はシベリアからパイプラインを引こうと考えているそうです。ロシアと中国は陸続きですから話さえまとまればパイプラインも引けそうです。
中国でのエネルギーが足りなくなると予想した中国政府は、中国の事情を無視した環境保護団体の反対には耳を貸さず、三峡ダムの巨大プロジェクトを進め、今年から一部貯水を始めています。ダムは治水のためでもありますが、ここで発電される電力(1820万キロワット)も無視できません。(ちなみに、この発電量はトラブル隠しで問題になっている東京電力が持っている原発17基の総電力1730.8キロワットを超えています。)
<尖閣諸島の可能性>
実際のところは掘ってみないと解らないのでしょうが、もしかしたら、将来は大油田地帯になるかも知れません。となれば、中国だって領有権をもっと強く主張し、日本の隙をみて、韓国が竹島でやっているように、人でも住まわせ既成事実をつくってしまいたいところです。
しかし、現在の中国の経済発展は日本の存在が大きいため、ここで尖閣諸島問題を持ち出して関係が悪くなるのは賢い方法ではありません。それに、中国はまだ日本からODA(政府開発援助)を受けとっています。上海は豊かになったかも知れませんが、内陸部はまだ貧しいからだそうです。
というわけで、中国は直接尖閣諸島問題を持ち出すことはしないだろうと、思われますが、尖閣諸島に天然資源が眠っているのなら、そうでなくとも漁業資源の権利を広げるためにも、なんらかの形で尖閣諸島には近づきたいところでしょう。
”尖閣諸島の領有を主張している日本に、直接抗議はできなくとも、一部のはねあがりがやっているということなら、ことは大きくならないだろうし、平和ぼけしている日本なら、友好関係を維持するためとか何とかいいながら、島に上陸させてくれるかも知れない。上陸してしまえばこちらのもの、あとは無理やり追い出そうとしているらしく見える映像さえ撮れれば、その映像を流して世界中を味方につけることができる”、と考えたのかも知れません。
最近このように考えるようになったのは、噂だとされていた拉致問題や、実体が伝わらない飢餓問題、さらに通り魔を作り出す覚醒剤の密輸問題など、まさかいくら北朝鮮でも、国ぐるみでそんなことはやらないだろう、と考えていたことが、どうも本当らしい、ということがわかってきたからです。
日本の世論さえも、実は北朝鮮に有利に働くように、日本人にはそれとは気づかせないように、工作員が世論操作をしていたのではないかとさえ、思えます。
<より大きな問題>
活動家の船が中国の港に戻るらしい、という報道から、中国政府黙認という姿勢が見て取れます。うまくゆけば、得するのは中国ですから、事を荒げないで済むのなら、放っておいた方が得だということなのでしょうか。
これは事実上中国政府の後ろ盾があるということなのでしょうが、日本は冷静に構えて、その中国の裏をかくぐらいのしたたかさを示すべきです。ここで上陸を許してしまうと、逆に抜き差しならぬ状況になって、その後やっとのことで尖閣諸島を取り戻したとしても、その過程で尖閣諸島の数百倍の価値を失ってしまいかねない、と思うからです。
長い地球の歴史を考えると、ほんの一瞬だけそこにへばりついているに過ぎない人間たちが、ここは俺たちの土地だと所有権を主張しあうことそのものが滑稽(こっけい)に思えるのですが、利権があるならそれを得たいと考えるも自然で正直な人間の姿だろうと思います。今のところは、上陸させないことが均衡を保ち、問題をややこしくしない唯一の方法だと考えています。
-2003/6/23
-2003/6/25 (一部修正・追記)
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