9月26日、安倍政権が誕生しました。「予想通り」だとか、「期待はずれ」だとか、評価はさんざんです。しかしこれらはいかにも後継者が浴びそうな言葉です。今回のコラムは、後継ぎの苦労について考えてみたい、と思います。
後継ぎの何が大変かというと、それは何かというと先代と比較されることでしょう。安倍新総理も、大臣を決めた今日、大臣選びが予想通りだとか、期待はずれだとかといわれています。この期待はずれの部分が、小泉政権のときによく言われた「サプライズ」との比較で、ついついて期待してしまうのでしょう。
小泉さんの後継者なら、小泉さんから何かを引き継ぐことになるわけですが、昔から後継者には、以下のように三つのタイプがあるように思います。
1.「先代の思想」を受け継ぐ後継者
2.「先代の技」を受け継ぐ後継者
3.「先代の財産」を受け継ぐ後継者
「先代の思想」にあたるのは、たとえば小泉前総理なら小泉さんの考え方そのものです。その考え方が技を生み出します。「先代の技」にあたるのは、小泉さんのパフォーマンスとかマスコミの扱いのうまさのようなものです。この技が財産を生み出します。「先代の財産」にあたるのは、小泉政権の間に参議院選挙や衆議院選挙で勝ち取った圧倒的な議員の数です。
最悪のパターンは、先代の財産だけを受け継ぐパターンです。誰でも引き継げますが財産を使い果たしたところで終わりです。次の参議院選挙では、どんなに頑張っても自民党は数を減らすと予想されており、これが安倍政権が短命で終わると予想される最大の根拠になっています。
安倍政権はともかく、先代の財産だけを受け継いだ二代目や三代目はだいたいダメになっています。そうならないためには、どうしても先代の思想や技を受け継ぐ必要があります。
しかし、仮に先代の技を完璧に受け継いだとしても、二流の評価しか得られません。必要な技は時代とともに変化するため、どうしても時代遅れになるからです。安倍総理が仮に小泉前総理と同じパフォーマンスを身に着けたとしても、その評価は今一歩だろうし、そもそも変人の真似などできるわけがありません。
となれば思想を受け継ぐべきです。しかしこれは小泉前総理と同じように破壊思想を持つべきだという意味ではありません。小泉さんが小泉さんらしさを遺憾なく発揮したように、安倍さんもまた安倍さんらしさを遺憾なく発揮すればよいのではないか、と思うわけです。これしか、先代を超える方法はありません。
安倍総理は、たとえばこれからも事ある毎に「美しい国 日本」に言及し、みんなに「美しい国」とは何かを考える機会をつくるのが良いと思います。もしかしたらこれが、先代を超えるただ一つの方法かもしれないからです。
-2006/9/26
-2006/9/30 推敲
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