どうして売れないのだろうと考えながら買う方の立場に立てば、こんな答えが良く返ってきます。「これと言って欲しい物も無いし、買っても置く場所が無いし、衝動買いしたくなる程くすぐるような品物もない。」ところが困っている人はいくらでもいます。
- お金が無いわけじゃない
かつて商品券を配った時期がありましたが大失敗でした。ちょっと小遣いが増えたくらいで消費は拡大しないということが良く分かった訳です。買った方が景気が好くなるからという理由で買う人はおらず、ただ欲しいもの、必要なものを消費者は買い続けるのです。
- 商品は魅力的か?
これまでは物があれば困っている人が助かる時代が続きました。冷蔵庫がその最たるものでしょう。これは電気で物を冷やすことが出来るようになったからですが、最近の商品は技術が先にあってそれを応用するとこんな商品ができる、これはライフスタイルに対する提案、つまり提案型商品という位置づけで発売されるのですが思うように売れません。
メモリーカードを使った携帯型プレーヤーの将来性は認めながらも、これもその一つで、開発に関わっている人たちはあまりに売れないためすっかり肩を落としています。これは演繹(えんえき)的思考による商品と考えることができます。つまり商品を企画するときの思考過程は以下のようになります。
デジカメなどでメモリーカードが普及してきた。→その中に音楽データも入れることができる。→大きさも小さく出来る。→音楽プレーヤーを作ろう
ところが携帯型プレーヤーはMDやCDやカセットを使った方がよっぽど便利です。作る人と違って、買う人の思考過程は以下のような順序になります。
外で音楽を聴きたい。→CD、MDコンポがあるからMDにコピーしてMDプレーやーで聴こう。あるいはコピーが面倒だから携帯型CDプレーヤーで聴こう。
最近はソリューションという言葉が良く使われています。品物だけではなく、困っていることを丸ごと解決するための方法も提供するという考え方です。
今はそのソリューションを考えないと生き残るのは難しい時代になってきました。外食産業は料理だけではなく、料理と一緒に笑顔を惜しまず、機敏に動かないと心地よく食事をしたいというお客さんにとってのソリューションにはなりません。
ファーストフードでレジに立つ人は次から次に欲しい商品を並べるお客さんの声に従ってレジを打たないで、途中で「それでしたら、このセットがお買い得です。」と一言加えることで欲しい物を安く買いたいお客さんのソリューションになります。でもマニュアルで動いている場合は、レジを叩く人を責められません。
2、3日前にYahooのニュースでドミニカ共和国で活躍する太陽光発電システムの記事を読んで嬉しくなりました。そこにはソリューションがあったからです。
世界には20億人もの人達が電気を使えない所に住んでいるそうです。ドミニカ共和国にもそんなところが多くラジオやテレビや蛍光燈に使うために太陽光発電システムが活躍し、それを利用している人に大いに感謝されています。そのシステムが高価であるという点と使用済みバッテリーの処理という問題点をレンタル、無償引き取りという2点で解決しているそうです。使っている人の喜ぶ顔が目に浮かぶような記事でした。
問題解決型思考は先に書いた演繹的思考と対を成す
帰納的思考とも呼ばれています。今はこの帰納的思考によって必要になる技術に全力を注いだ方が良いのかもしれません。
-2001/7/12
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