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政治家に定年は必要か?


 総理大臣経験者の宮沢さんと中曽根さんが自民党の73歳定年制実施の対象となって、すこしばかりすったもんだしたようです。二人とも、話は面白いし、政治家としての見識もあると思うわけですが、やはり定年は必要なのでしょうか?

 自民党も、党改革をやらないとまた野に下りかねないということで、改革の一つにあたる定年制を実施しようとしているようです。しかし、定年制はあくまでも党の活性化のための手段ですし、若返りもまた目的ではなく、活性化のための手段です。いくら若返りしても、ボケた若手ばかりでは話になりません。

 若手は物覚えの良さゆえに機敏さに優れ、年輩者はその豊かな経験ゆえに総合判断力に優れる、とは脳の働きの研究成果からも明らかになっています。宮沢さんや中曽根さんの持つ総合判断力、つまり見識も捨てがたいことから、自民党にとっても貴重な存在であるはずです。にもかかわらず、なぜ定年が必要なのでしょうか?

 それは日本人の変え難い平等主義のためではないかと思います。今回の騒ぎを耳にしながら考えたのは、明治時代の初めに学校制度を導入し始めたころの話でした。

 明治になってきちんとした学校をつくろうとしていた明治政府が最初に作った学校は、飛び級ありの能力に応じた学校だったそうで、必要な教科を習得することが重要で、特定の年齢までにその習得を終われば良し、という考え方だったようです。

 ところが、それならば今年は止めて来年からにしようと考えた人が多かったらしく、誰も学校に通おうとしません。仕方が無いので、8級から1級まで8段階あった級を6段階に減らしたり、それでもだめだったので、4段階にまでマケたそうですが、結果は同じだったそうです。そこで、一定の年齢になったら、誰もが学校に進む制度に改めたという経緯があるようです。

 隣の○○さんも××さんも、△歳になって学校にゆくらしいから、うちの子供も学校にやることにするか、と考えたのでしょうか?ともかく、能力に応じて8級からいきなり6級に飛ぶ”飛び級”や、あるいは進級できずに同じ級を次の年も繰り返す、落第があるようなやり方はなじまなかったようです。

 政治家でも、あなたは見識があるから党に残ってください、とは言えても、あなたには見識がないから、引退してください、とは口が裂けても言えないでしょう。そこで、自発的な引退を期待するわけですが、ボケている人ほど、自分には見識が無い、という見極めができない、という問題が生まれそうです。

 だから、党への投票で当選できる比例区の場合は、能力がある人も無い人も、ある年齢になったら引退するようにしましょうか、という定年制度に頼らざるを得ないのだろう、と思います。

 しかしそれもどこか社会主義国の結果の平等による、非生産的な衰退を招きそうです。やはり年齢で職業選択の自由を奪う定年制は間違っています。年齢は生まれてから現在までの期間を示しているのであって、政治的な能力を示す指標ではないからです。体重を聞いているのに身長で答えるようなもので、両者に相関関係はあるうものの、座標軸がまったく異なります。

 政治家であるべきかどうかは、有権者が決着をつけるべき事柄です。現在の衆議院比例区では有権者は政党に投票するしかありません。その得票数に応じて党が決めた名簿順に当選するしくみになっているために、比例区に回された人が名簿からはずされたらおしまいです。

 比例区でも、すべて党名と個人名で投票するか、あるいは所属党名を明らかにした上で個人名だけで投票を行い、得票数が多い順番に当選するような制度に変更すれば、老いも若きも、望まれる人が当選できます。

-2003/10/26


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