お金は天使にも悪魔にも姿を変える変幻自在の妖怪である。しかしそれはお金に価値があるせいだということも認めなければならない。人気ソフトに海賊版があるように、優れた美術品に贋作と呼ばれる偽物があるように、そして人気スターの容姿を真似る人がいるように、お金もその価値ゆえに偽金をつくられる運命にある。
お金を受け取るためにはそれに相当すると思われる価値を提供する必要があるから、手に入れるのは結構骨が折れる。欲深き人間はそれを強運によって手に入れようと奔走するがその人間らしさをだれも責めることは出来ない。
お金は人間が作り出した概念であり、架空の妖怪でもある。使いようによっては天使にも悪魔にもその姿を変えてしまう。
お金には天使としての役割がある。留まることを嫌い、人から人へと次ぎから次に回っていくことを喜びにする。お金のやりとりは価値の交換だから、交換すればするほど受け取る人は自分の価値を認めれらたと感じるから悪い気はしない。
しかし、お金には悪魔としても役割もある。そんなお金と仲良く付き合うにはつねに自分が何かの価値を作り出し続ける必要がある。ひょうたんから駒で運良くお金に恵まれることもある。それでもたいていは自分の作りだした価値より多くのお金を求めたり、必要以上に求め過ぎると、やがて悪魔へと変貌した妖怪につかまってしまう。
それでもうろたえることはない。その求めたお金を誰か別の人の価値を高めに見積もって渡してしまうか、無理に手に入れようとしなければ、お金は本来の役割を果たせることになり、お金という妖怪は喜んで天使へと姿を変える。
-2001/4/12