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なぜ国鉄時代の悪しき遺産が残ったのか?




 鉄道会社に勤める人は一般の人より鉄道好きの人が多い、と考えるのが自然です。戦後、戦地からの引き揚げ者を政策的に国鉄が引き受けたことがあったようですが、それも戦争が終わってから60年が経ち、とうの昔に退職しています。となればJR職員の多くが自ら希望して入社したことになり、たとえば在来線や新幹線の運転をしたり車掌をしたり、あるいは運行管理をしながら列車が動いている様を画面やランプで確認するときには、快感が沸き上がる人が多いはずです。

 快なる鉄道に関われば自然に鉄道のあらゆることがらに精通して技を獲得し、次第に鉄道マンとしてのプライドも生まれるはずで、これについては国鉄時代もJR時代も同じであるはずです。

 ところが不幸なことに、国鉄時代には自らの快なる営みを否定する労働組合の活動がありました。ストの権利がない国鉄の職員がストをやる権利を得るためにストライキをやったりしたわけですが、それが長引けば、電車の運転も車掌業務もやる時間が減るわけです。これは自らの快なる営みから遠ざかることであり、乗客に迷惑をかけることを意味しています。このままではいけないと、国鉄の民営化に同意した職員も多かった、と聞いています。

 ところが今回の脱線事故報道で、鉄道マンとしてのプライドを打ち砕く、日勤教育と称する洗脳が行われていることが解りました。これでは脱北者に対して北朝鮮当局が行っているとされる過酷な洗脳教育と根っこのところは同じです。個人の能力を引き出したりプライドをくすぐってやる気を湧かせて効率を上げる民間的教育とは無縁のものです。

 しかし長い間に染みこんだ、この”無気力”を生む体質がすぐに治るとは思えません。それは、1990年に東西ドイツが統一し、今年で15年になろうとしているのに未だに旧東ドイツ地域がドイツ全体の景気の脚を引っ張っていることでもうかがえます。また韓国が口では民族統一を叫びながら、実は北との統一を望んでいない、のもこのためだとされています。

 JR西日本に残っている悪い方の体質が北朝鮮と同じだとしたら、その対処法は情報の公開と、経営者の入れ替えしかありません。しかも普通にやると治るには長い時間がかかるらしいのです。今回の事故はJR西日本にとって黒船になったのでしょうか?

-2005/5/7




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