12月16日、拉致被害の三家族に子供らのビデオや写真が届いたというニュースが流れました。この話を聞いたときに、私が連想したのは、わざと外に流しては通行人を誘惑する近くの焼き鳥屋の匂いでした。ちょうど帰宅する通り道で、塩をかけて焼いたらしい香ばしさで食欲をそそる、焼き鳥の匂いです。
焼鳥屋なら、どうしても食べたければ暖簾(のれん)をくぐって中に入れば良いのですが、離ればなれの家族の場合はそうもゆきません。国交が無く国も体制も違う北朝鮮ならなおさらです。
北朝鮮に限らず、開国しなければその国の経済規模を大幅に縮小せざるを得ないのが現実です。他国との経済交流がなければ二千万を越える人口を養えるはずがない北朝鮮にとって、中国からのエネルギーや食料の支援は命綱です。
韓国は民族統一を掲げてはいますが、当分本気で統一しようとは考えていないようです。理由は簡単で統一後の負担が重すぎるからです。統一後に、北朝鮮国民を労働者として採用しようとしても、競争しようという意識が無いため、躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ません。しかも、外国語やコンピューターや最新技術などのスキルに優れているわけでもありません。
実際北朝鮮を逃れて韓国にたどり着いた人も、競争社会の韓国ではやってゆけないのが実情のようです。たたき込まれた社会主義的な思考の組み立て方が競争社会の韓国に合わないからです。
かつての支援国ロシアは北朝鮮どころかロシア国内で中央への人口の移動が続いており、極東地域は寂れる一方です。領土を拡大するために極東の労働者を優遇していたのはソ連時代の昔の話で、石油や天然ガスなどの資源でも無い限り、補助金も打ち切られて捨て置かれるという傾向が続いています。
朝鮮半島を巡って、日本が中国やロシアと戦いを交えていたのは昔の話で、今は領土を拡大する時代ではなくなったばかりか、下手に仲間に組み入れると負担が増えるだけ損、という時代です。
規模こそ違いますが、朝鮮南北の統一問題が日本で進められている市町村合併問題とだぶって見えます。そこではまるでお見合い相手を品定めするかのように、激しい駆け引きが繰り広げられているからです。
合併後の市町村の名前をどうするか、合併相手に隠れ借金は無いのか、廃棄物の不法投棄など負の遺産はないか、そして合併後の主導権はどこが握るのか・・・。
莫大な負の遺産を抱えた北朝鮮にとっての最大の敵は、体制崩壊でも韓国による一方的な南北統一でもなく、経済交流を遅らせる各国の無関心、と言えそうです。
-2003/12/22
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