大学を卒業していたかどうかを確かめるために米国のペパーダインという名の大学まで出かけた民主党の古賀議員が、大学側から単位不足で卒業していない、と言われて驚いたらしいことが伝えられています。このニュースを知って驚いたり、呆れたりしている人も多いと思いますが、どうしてこんなことになってしまうのでしょうか?
第三者が見聞きすると、どう考えても不自然だと判断できるのに、本人は自分の身の回りに不可解な出来事が展開していて、しかもその展開に驚いている、と主張して譲りません。
嫌なことを体験すると、無かったことにしたいと思うものですが、こうした心の働きは防衛機制と呼ばれていて、心の安定を保つために必要な作用だと説明されています。
S.フロイトが1894年にはじめて、防衛、という言葉を使ったそうですが、その後フロイトの娘のアンナ・フロイトによって防衛機制として整理されました。古賀議員にみられる心理作用はこの防衛機制の中の否認にあたると考えられますが、かなり重症だという気がします。
防衛機制そのものは正常な心理的作用で、普段は他の防衛機制と組み合わされているために複雑になり、容易にそれと悟られないようになっているそうです。おそらくこれらが性格の一部をも形成しているのだと思いますが、一つだけが強すぎると不自然さが目立って病的になり、周囲の理解を得られなくなることから社会的不適応に至ります。
つまりこれは、経歴詐称で法的に処罰される以前に、人として信用されなくなり、支持者が離れてゆくことを意味しています。
それでも国会議員を続けるためには、選挙でもう一度有権者に支持してもらう必要があります。しかし、そのためには福岡二区の有権者が、古賀議員の言動を見て見ぬ振りをせねばなりません。つまり、有権者は、通常は無意識的に行われる否認という心理作用を、意識的行わねばならず、心理的負担が増えることを意味しています。
そんなことは自分には耐えられない、と思う人の多くは、それならば対立候補の山崎氏を支持しようと考えるかも知れません。ところが山崎氏は、すでの多くの人がご存じのように、愛人問題のために汚れたイメージが連想的にこびりついています。
そんな山崎氏を支持するためには、このイメージを意識的に否認するか、政治的力量についてのイメージを強力にふくらませてマスキングするしかありません。
有権者の多くは、避けたい対象が同時に存在することによって生じる、回避の葛藤に悩まされ、選択できずに苦しむことになります。実に不幸なこの心理状態から抜け出すためには、まったく別の候補を持ってくるしかない、と思います。
-2004/2/24
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