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北方領土はなぜ返って来ないのか?


 ロシア人と日本人の国民性の違いを語るある番組(末尾注参照)を聞きながらそこでは一言も触れることの無かった北方領土のことを思い出し、「これでは返ってくるのは難しい。」と思いました。
 四季の移り変わりが日本人の独自の美意識を育てたと言われる日本では逆に熱しやすく冷めやすい、見た目を尊ぶためか上げ底の器さえあります。そして寒すぎない冬が過ぎると必ず暖かい春がやってきます。

 ところが最近のニュースでも伝えられているように氷点下50度という寒波に襲われる厳しい気象条件で暮らすロシア人は気長で無理をせず実をとる国民性なのだそうです。

 これは領土返還交渉にどんな影響を与えるのでしょうか?ロシア人が南クリル諸島と呼ぶ北方四島を自国領土とすることにどれほどの実があるのでしょうか?ソ連邦の時代には中央政府から遠いところほど高い給料が支払われそれが理由で北方四島(特に国後と択捉)に移り住んだ人も多いようです。島では主に漁業を営み島の工場で缶詰にして本土に向けて出荷していたわけですが、今は財政状況が悪化してから久しく、日本の協力を求めているのが現状のようです。

 不凍港を求めて領土拡大を続けたと言われるロシアがクリル諸島の南に位置する北方四島の戦略的実を忘れるとも思えません。しかし日本の協力という実も取りたいところでしょう。

 日本が北方四島を固有の領土と呼ぶのには歴史的な経緯があります。しかしその経緯を主張するだけでは、実を取ろうとするロシア人はそうした経緯に目をつぶろうとするはずです。日本政府は一度こう言ったらどうでしょうか?「日本が間違えていた。実はクリル諸島全体が日本の固有の領土だ。」と。クリル諸島はロシアの領土だと主張するために歴史的経緯をより多くの人が知ろうとするはずです。

 でも正直なところ、北方領土をふるさとにする人々がよりスムースに訪問できるようにすることを第一優先にして動くことの方が日本も”実”が取れるという気がします。そうでなければ多くの方が高齢を迎え訴え続ける人がますます少なくなります。北方領土の日は2月7日ですが熱しやすく冷めやすい編者自身も当日にはこのことを忘れていました。 -2001/2/16-2/18



(注:冒頭の番組はNHKラジオの朝4時から5時というめったに聞けない時間帯に放送している「こころの時代」と題する番組です。この時間帯はラジオ深夜便と呼ばれ静かな深夜番組であるだけに深く入り込んできます。)


作成: 2001年(平成13年)2月16日
更新: 2001年(平成13年)2月18日


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