10月8日に起きたパキスタン地震の死者は9万人を越えたそうです。被害が大きくなった原因は、建物の大半が鉄筋が入っていない日干し煉瓦などで作られているなど、極端な強度不足にあるとされています。鉄筋が入っていそうな建物も違法建築のために地震で倒壊していました。なぜ違法建築が見逃されたのでしょうか?あるパキスタンの男性が、「ここには(違法建築を取り締まるべき)政府がない」、と話していました。
今回耐震データを偽造して作られた建物の強度は基準の半分とか三分の一程度らしく、「大きな地震が無くても、建物自身の重みで倒れる恐れがある」と指摘されています。首都圏で予想されている地震がくれば、ひとたまりもない強度です。この日本の、しかも首都圏も、”政府がない”状況だということなのでしょうか?
しかしいくらなんでもパキスタンと日本では状況が違います。日本にはパキスタンのような、国境地帯の紛争や無政府状態はありません。しかも大半の建築家や設計事務所は、専門知識において政府の役人より優秀です。しかしなぜ、無政府状態と同じ状況になってしまったのでしょうか?
それはおそらく、これまでは特に取り締まらなくても、建て直しが必要になるくらいの違法建築物を設計するような建築士がいなかったからではないか、と思います。つまり、これまではチェックが必要なかったのです。だから、チェックすべき立場の人が、設計資料が数百ページもあり見切れなかったという、のんきな話ができるんだろう、と思います。今回の偽造は、全ページを見なくても、図面を見ればすぐに気がつく程度のことだった、とされています。
これまでは、図面を読めないような人でもチェックする立場にいることができた、ということだと思いますが、これからはどうするというのでしょうか?チェックが出来るような適材を適所に配置するようなしくみをつくる、ということなのでしょうか?
「マイホームの夢を無残に打ち砕くような犯罪行為は絶対に許してはいけない」と語ったとされる民主党の前原代表の動きにも、注目していきたいと思います。
-2005/11/23
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