家族サービスと言えば、日頃仕事ばかりしている人が、たまの休みに家族が喜ぶようなことをすることですが、この場合のサービスは家族に対して行います。
サービスという言葉は、人に尽くして見返りを期待しないと言う意味ではなく、対象が人間だと言うことだろうと思います。直接お客さんを相手にする客商売はサービス業と呼ばれています。
サービスであっても、Give&Takeの経済原則が成り立ち、そこには絶妙な均衡が保たれているはずです。家族サービスをする人は、将来とも家族関係を維持したいという自分の利益のために、家族が喜ぶサービスを行い、つなぎ止めるわけです。従って、どこへ連れて行くにしても、家族が喜んでくれなければ意味がありません。
サービス残業をやる場合でも、残業代を請求しない代わりに何かを得ようとしていることは同じだろうと思います。猛烈なサービス残業をするという噂の官僚は将来の天下りを正当化するために、そして多くの人は自分の雇用を守るため、あるいは自分のスキルを磨くためという人もいると思います。
サービス残業の時間が長くなればなるほど、実質的な時給は下がります。自分の単位時間あたりの価値を下げることによって、もらっている給料とのバランスをとっているとも言えます。
従って、良い仕事をしていることを自覚している人は、ある時点で自分を安売りすることをやめ、その組織を去ることになります。それ以外の人が残ることで流動化が進み労使関係は最適化される、と考えることもできます。
しかし、これはサービス残業の実態が外に出ない場合の話です。リストラ騒ぎで、会社組織に忠誠を誓うことが時代遅れになりつつあります。サービス残業に対するイメージも変わってきています。”会社に対する忠誠心や向上心からと言うより、人件費を削りたいしみったれた会社とその会社にしがみつく哀れな社員の間で繰り広げられる違法行為”、という具合です。実態はそうではなくとも、できあがりつつあるイメージによる影響は馬鹿にできません。
長年の努力で自社のイメージを高めてきた企業なら、このサービス残業にたいするイメージが変わってきていることに敏感である必要があると思います。法律違反というリスクを抱えるだけではなく、サービス残業で節約できる人件費より、その実態が世間の知るところとなったときの、イメージダウンによって失う価値の方がはるかに大きいと思われるからです。
これはサービス残業が会社へのサービスになっていないどころか、競合他社へのサービスになってしまっていることを意味しています。
-2003/2/3
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