ページ作成: 2001年(平成13年)9月22日
コロンブスがアメリカ大陸を”発見”したという言葉そのものが欧米中心的な世界観を示すものだと考えられます。人間ならその前から存在していたわけですから。すでに別のコラムでも書きましたが、アフリカを起源とするらしい人類は氷河期で多くの大陸が陸続きであった時期に世界中の大陸に移り住んだと考えられます。黒人の多くはアフリカに残り、少数派だったかも知れない肌の色の黄色い人種は世界中に散ってゆきました。
もちろん今の米国がある北アメリカ大陸にも現在アメリカ・インディアンと呼ばれる先住民が住んでいました。コロンブス以来、北アメリカ大陸にはプロテスタントと呼ばれる迫害される側のヨーロッパの人々(特にイギリス)がアメリカ大陸に渡り、当初はイギリスの植民地でしたがその後に独立を果たしました。イギリスに反旗を翻したという訳です。
米国が日本と接触するのは江戸時代の終わりを告げるきっかけとなったペリーによる来航でした。このペリーが日本に開国を迫った理由が鯨を取るための中継基地が必要だったためというところが皮肉です。当時、鯨をもっぱら灯りの油のためだけに捕獲し、それ以外の部分を捨てていた国が、それより古くから鯨を食としてきた日本に対して、捕鯨反対を唱えるのですから。
それはまるでさんざん地下資源を使ってきた先進国が、地球の温暖化が進んできて、オゾン層が薄くなり、紫外線に弱い白人が皮膚ガンになる可能性が高いと騒いで、これ以上地下資源を使うのを止めようと、これまで二酸化炭素をそれほど出しても来なかった発展途上国に押しつけるようなものです。これは過去に暴れて荒らした土地の後始末を他人に押しつけているようなもので、途上国が納得するわけがありません。もっとも最近の米国は京都会議の温暖化に対する取り組みに対しても反対したりしていますが・・・。
米国は日本へ開国を迫り、その希望も叶い、第一次大戦でも勝利し、第二次大戦にも勝利しました。米国の最近の苦い経験はベトナム戦争です。その後のベトナム帰還兵への冷たい扱いはよく聞くところです。もう一つの負けたことと言えば、ソビエトに宇宙開発で先を越され、初の有人宇宙飛行をソ連に譲ったことでしょうか?
それでもソビエトの崩壊で、米国は唯一の超大国になりました。これはつまり、米国の大統領は世界の大統領だという自負が米国民にあることを意味します。しかし、力が強いことはかならずしも知恵があることを意味するわけではなく、常に正しい行動をするという意味でもありません。
今回のテロ発生以来、テロを許さないと言う姿勢には同意できても、状況証拠だけで容疑者を上げ、周囲を味方で固めて、あぶり出そうとする最近の動きは、テロにやられたとは言え、強者の論理ではないかと、どうも気になるところです。
直接関係のない、米国に住むアラブ人の家に車でつっこみ破壊したり、あるいはツバをかけたりする行為は、その規模の大小を問わず、やっていることはテロ集団と同じです。もちろんこれは一部の米国民の動きです。しかし、米国が国家として取っている動きも、同じようなもののように思えます。
力の弱い者がより強い者を攻撃するために奇襲攻撃をかけるように、力の強い者はその力を背景に周囲の者を味方につけて、あぶり出そうとする。その動きには米国の誇りは感じられません。編者が感じられないくらいですから、米国民の中にも感じられない人がいてもおかしくはありません。
ブッシュ大統領はテロ集団とイスラム教の国とは明確に区別しなければならないとは発言してはいますが、どうも説得力が感じれれません。大統領はそんなことより、米国民に対して米国民としてのプライドが持てるような発言をすべきだと思います。プライドを取り戻せばお行儀も良くなる。お行儀が良くなれば、関係のない米国に住むアラブ人への差別もきっと減るでしょう。
やられたら、自分たちの出来る方法で報復するというやり方はテロ集団とその思考において酷似しており、、超大国としての誇りが感じられません。他国はともかく、米国民が取り戻したいのは米国民としての誇りではないかと考えます。
-2001/9/22
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