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景気を良くできない経済学の不思議


 今でも経済のもっとも初期的な段階である自然経済(物々交換を行っている経済)のところがあるようです。魚を取る漁師が米を食べたいと思えば、日持ちのするように干物にした魚を運んで米を作る農家に行き、魚と米を交換します。この場合、景気が良いか悪いかは最近しけが続いて魚が取れないとか日照りが続いて米がとれないということを意味するのだと思います。しかし、今の日本はその米も魚も食べきれないので家畜の飼料にするぐらい余っているのに景気は良くないと言われています。

 頭が良すぎたのか困り果てた結果なのかは知りませんが、その魚と米を手に入れるために貨幣というものを使うようになりました。魚が大量に取れたときにそれを売ってお金に換えておけば、いつでも米を買うことができます。しかし、そこで使われるお金が本物なのか、あるいはその価値がすぐに下がるのではないかと心配を始めたらお金に交換することはできません。このためか貨幣経済が高度に発達した段階を信用経済と呼んでいます。たしかに信用できないお金に交換しようとする人はいないでしょう。

 お金を使うようになってからさまざまな職業が生まれ、お金を使ったものの流通のしくみを研究する経済学も発達してきました。その世界中の専門家が集まっては景気をよくするにはどうしたらいいのかと議論していますが、特に日本はその良い手立てが見付かりません。あるとき編者は経済学を専攻する人に”経済学は景気を良くしてくれるのか?”と聞いたことがあります。その人の答えは”NO”でした。日本の経済を支えているのは経済学ではなく、日本が世界に誇る強い産業です。しかし、経済学にはその強い産業にもできないことを実現できる可能性があると思います。

 編者の勝手な意見を言わせてもらえれば、景気は良くても悪くても関係がないと思います。景気を良くすることが目的ではなく、生活を豊かにすることが目的だと思うからです。しかし、同じ事は多くの人たちが考えているはずです。

 平均的には経済的に豊かでも仕事が無ければ大きな不安を抱えることになります。とても豊かだとは言えません。同じ事を考えているからこそ、国は借金までしてお金を工面し、投資を行い、雇用の機会を増やそうとしています。しかし、なかなか上手く行きません。それどころか借金は膨らむ一方で、その増え過ぎた借金が新たな不安を招いています。完全雇用を目指して経済学者ケインズが強調した政府投資もうまく働いているとは言えません。

 景気を良くすることを目指すより、経済を停滞させている不安を取り除くことの方が先だという気がします。そうでなければ信用経済そのものがうまく機能しません。その不安材料とは一体何なのでしょうか?

 職が無くなるのではないかという不安と、働けなくなった後の生活は大丈夫なのだろうかという不安だと思います。個人的にその不安を取り除こうとすると貯蓄をするのが手っ取り早い方法です。それではお金は回ってきません。 経済学がそのしくみを研究するだけではなく、その理論を応用して政策を提案することも経済学だとすれば、もうそろそろ日本独自のXXXX経済という新しい政策が発表されてもいい頃だと思います。それともすでに発表されていて編者が知らないだけなのでしょうか? もしそれが発表され実施されれば、経済学の分野でノーベル賞がもらえそうです。21世紀はそのチャンスの世紀なのかもしれません。-2000/12/27


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