このコラムのタイトルに興味のある方はご存知の方が多いと思いますが、世界中で多くの事業所がEMSに取り組んでいます。EMSとは環境マネージメントシステム(注1)の略です。しかし、多くの企業や団体の中でこの言葉を好む人はあまりいないのではないでしょうか?それはどうしてでしょうか?
環境を守るために一番確実な方法は、人間が活動しないことでしょう。ひとごとのように言わせてもらえれば、人類はその誕生以来、開拓という名の自然破壊を繰り返し、産業革命以降はせっかく安定して地下に眠っていた化学物質を還元して金属を取りだしては新しい有害物質をつくるという自然にとっては悪魔のような所業を続けてきました。人間はそれを進化と呼んでごまかしてきました。
ところがいよいよ危なくなってきて、このままの状態が続くと氷が溶けて陸地は狭くなり、肌をさらして外に出れば皮膚癌になる時代がやってくる、しかもそれはそんなに先の話じゃないということから環境問題が叫ばれるようになりました。
EMSを進めることは自らの企業活動の足かせになると受け取るのが自然ではないでしょうか?それでも世間が認証を受けている事業所を求めているからと自分のところも取らないとバスに乗り遅れてしまうと考えて受ける企業や団体も多いのではないかと思います。
EMS認証という看板だけ欲しい所はEMSをやってもすぐには儲からないという矛盾に悩むことになります。手間と費用が掛かるにも拘わらずそれによって直接売上増にはつながりにくいのが実状です。
認証を受けた事業所は定期的に内部監査を行ないます。そこでは同じ社員同士がある人は監査側に回り、ある人は受ける側に回ります。そして決めた目標が守られているかどうかをチェックすることになります。それを裁く側と裁かれる側というふうに受け取るとこれほど嫌なものはありません。
EMSはその初期段階で事業所内のゴミの分別や紙や材料の低減を目指しますがそのうち不良在庫の処分方法ではなく不良在庫そのものを出さないようにするにはどうしてらよいのかという本論に入り込みます。そうなるとQMS(注2)とその根っこの部分は同じになります。そこまで行けば最終的にコストが下がるという分かりやすいメリットが出てきます。
監査員になってしまった人は自分の活動によって少しでも地球に優しくなると信じることにしましょう。不幸にも受ける側になった人はそれが最終的には自分たちを助けることになると信じることにしましょう。そう思わなければEMSに関わる人々の憂うつは続くことになります。
注1:ISO14001
EMS(環境マネージメントシステム、Environmental Management System)
注2:ISO9000
QMS(品質マネージメントシステム、Quality Management System)
-2001/7/4
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