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なぜ自由の行き着く先は空っぽなのか?


 ある本のなかで、「自由」とは「否定主義語」である、というくだりにぶつかりました。自由を追い求めてゆけば、最後に行き着くところは”無”である、という意味にとれます。

 自由主義と名の付くものも、現状を否定することから始まり、それを強力に進めれば進めるほど後には何も残らなくなります。すべてを否定し、否定したものが世の中から次々に消えてゆけば、最後には何も残らなくなるのが道理です。

 そのことに気がついているから、みんな程々に自由を叫ぶのでしょう。あるいは誰かが途中で止めてくれるに違いない、と信じるから自由を叫ぶのでしょう。どこか、誰かが迎えに来てくれることを期待しながらやる家出に似ています。

 ところが期待していたのに誰も迎えに来てくれなかったりすることがあるとすれば、それはどうしてでしょうか?それは、日本人の間にも静かに広まっている個人主義のせいではないか、という気がします。

 個人主義は、自分という存在が他人とは独立していること、そしてそれだからこそ一人一人が幸福を追求できる、と考えるもののようです。たとえば自分の子供が家出をしたとしても、自由とか個人主義を理由に、迎えに行かない場合などがそれです。

 これは自由という言葉を、個人主義という言葉が強力に支援しているからではないか、と思います。

 それにしても、自由主義も個人主義も、その行く着く先は”無”であり空っぽであるにもかかわらず、その後どうした良いのかについてフォローがないのが不親切です。

-2006/4/19




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