知恵もあるし人間としても優れているとされるのが君子ですが、君子はどうして危なそうなところに近寄らないのでしょうか?もともと、そんなところには興味が無いんじゃないかと、君子を自分とは違う別格の人間のように区別するのは逆に君子に対して失礼なのかも知れません。
遠い昔のギリシャに、自分は無知な人間であることを知っているから、その無知に気が付いていない人よりは賢いと言った人がいました。孔子とその弟子達によってまとめられた論語のなかで語られるのがこの君子の話ですが、ここでは、『君子とはいかなる誘惑にも負けない強い意志を持った人のことではなく、人間そのものが誘惑に弱い存在だから、その誘惑と無用な闘いをしないようにする人のこと』だと言いたいのではないかと思っています。
戦国の世ではなくとも、敵は誘惑の向こう側にいて、気を許せば落ちてしまう落とし穴をあちらこちらに用意しているのです。しかも、自分が誘惑に負けたわけでもないのに、誤解されやすい行動をしたがために、人から非難されて、社会的な制裁を受けてしまうことさえあります。悪代官がもらうまんじゅうの中にはきっと小判が入っているに違いないと考えたくなるのが人情です。
そうした人々の疑惑を招かないようにするためには、危うきまんじゅうに近寄らないようにするのが一番です。
-2002/3/8
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.