「地球は青かった」というガガーリンの名言を残した社会主義国ソビエトの有人宇宙飛行成功は西側の代表を自認するアメリカに大きなショックを与えました。そしてアメリカは人類を月に送るアポロ計画をスタートさせることになります。やがてロケットが打ち上げられ、月の上に降り立った宇宙飛行士の姿がテレビで生放送されました。その後も何度かこの有人宇宙飛行は繰り返され、地質調査のために月の石を持って帰るなど話題になりました。しかし、もう月への有人宇宙飛行は行われていません。
月にどんなに地下資源があっても、それを利用するには費用がかかりすぎます。しかしこのアポロ計画はその後の人間達の意識に大きな影響を与えました。それはテレビ画面に映った地球でした。月の黒い空にぽっかりと浮かんだ地球は青く、まばゆいばかりに綺麗でそれは静かな衝撃でした。
「宇宙にぽっかり浮かぶ地球は他の星に移住しようにも見つからないくらいに綺麗であり、しかも大宇宙のなかの非常に小さな存在で、しかもその地球上で人類は争いを繰り返し、地球を汚している」と言った、どちらかと言えば感情に近いメッセージを送っていました。
こうした地球の存在をイメージするという体験は、人間の無意識の世界にも影響を与えるらしく、地球を綺麗にしようという環境保護のための行動となって現れました。地球を外から眺めることによって地球環境保護に関してお行儀が良い人達が増えたと考えることができます。
第三者の立場で客観的に観察し、心理的負担を減らしたうえでお行儀を良くしようとするこの手法はもちろん一人の人間にも当てはまるはずです。自分の姿を自分自身の目で観察できる鏡という道具の発達と共に、人は化粧するようになったと考えることもできます。
しかし、内面からあふれ出てくるものが自分の表情をつくっているために、化粧だけではどうにもならない何かが存在するということも、同時に気づかせてくれたに違いありません。
今よりはちょっとくらいはましで、しかもお行儀の良い自分を望むなら、颯爽(さっそう)とした自分の姿をイメージすることが、自然にそんな自分に近づくための手法であると言えそうです。
-2002/7/13
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